繊維からエシカルを考える VOL.2

2.エシカルファッションの背景

エシカルファッションとは環境問題、労働問題、社会問題に配慮した

良識にかなった素材の選定や購入、生産、販売をしているファッションです。

 

第一回はこちら 繊維からエシカルを考えるvol.1

エシカルファッションという言葉が

浸透し始めた背景に
2013年に起こった「ラナ・プラザの悲劇」があります。

Wikipedia
http://urx3.nu/Xn4g

ラナ・プラザの悲劇とは、2013年4月24日にバングラディッシュの
首都ダッカ郊外にある「ラナ・プラザ」という商業ビルが崩壊し、
死者1100人以上・負傷者2500人以上・行方不明500人以上の
大惨事になった事故です。

このビルは世界的に有名なアパレルブランドの縫製を
請け負う5つの縫製工場が入っていた複合施設で
コストを下げるために鉄筋を使わない違法な増築を
繰り返していました。

ビルにひびが入っていることを従業員が訴え、警察からは
検査の為にビルへの立ち入りを禁止にしていたにも関わらず
オーナーは問題なしと主張。
工場のマネージャーらは従業員に仕事に戻らないと解雇する。
と脅して働かせたそうです。

そして、崩壊事故が起きました。

この事故から、低コストで大量生産をしているファッションの
裏側では、労働環境や自然環境が最悪な状況だった。という
事実が表立ちました。

それは消費者である私たちが「安くてカワイイもの」を
流行のサイクルに乗じて、大量消費しているのにも
こうした大惨事が起こった要因の一つとも考えられます。

 

この事故から、大手アパレル企業を中心に

世界中の企業が縫製工場の安全検査を行って

建物の倒壊や火災を防ぎ、労働環境の改善を目指す取り組みや

社会的責任を果たす為に縫製している工場リストを公開する

取り組みが始まっています。

 

またオーガニック原料を使用した製品も
エシカルに繋がります。

「オーガニック」をご存知の方がほとんどかと思いますが
大まかに言うと「化学肥料や農薬を使わない農作物」です。
(※厳密にいえば様々な協会による定義はあります。)

主に食品関係でよく聞き、「体に良い」など
健康に繋がるイメージがありますが
なぜこれがファッションにおいて、エシカルに
なるのかと言いますと

私達の一番身近な植物から出来る繊維である
コットン(綿)をイメージしてみて下さい。

コットンは、木綿植物の種子につく綿毛から作られます。

そのコットンを効率よく、かつ大量に収穫する為

ほとんどの農場では、農薬・枯葉剤などが使用されています。

収穫する国や地域によっては、収穫量を確保する為に

ヨーロッパなどで使用を禁止している、危険な農薬・薬品を大量に散布している所もあり、

環境への悪影響と共に綿を収穫する人の健康被害を与えています。

この農薬・薬品によって健康被害で毎年約2万人が死亡しており
300万人もの人々が健康を害していると言われています。

また、服を作る各工程で鉛系の染料にさらされたり、化学物質の中毒になって

体調を崩したり布を切る工程、縫製の工程などの労働者にも

これらの残留農薬や化学物質などによる健康被害を与える事になります。

 

また、途上国では児童労働も問題となっています。

「児童労働」とは15歳未満の義務教育を受けるべき年齢の子供が、教育を受けずに大人と同じように働くことと18歳未満の危険で有害な労働の事を言います。

インドのコットン畑では48万人以上の子供が働き

バングラディシュの縫製工場では100万人以上の子供が学校に行けずに働いている現状です。

 

しかし、オーガニック製品は農薬など厳格な基準を守って育てた綿花を使用し、紡績・紡布・ニット・染色加工・縫製など全行程を通じ原料のトレサービリティーと含有率がしっかりと確保されています。

化学薬品の使用による健康や環境的負荷を最小限に抑え

労働の安全や児童労働など社会的規範を守ったものである為労働者にも地球環境にも優しい製品となります。

また、オーガニックコットンを栽培する時に
有機肥料を有効的に使う事で土壌から空気中に放出される
二酸化炭素の量を減らす効果が確認されている為
二酸化炭素は地球温暖化の原因とされる温室効果ガスですから
その発生を減らす取り組みにもなります。

劣悪な環境での労働や、児童労働、環境汚染など

これらの問題は非常に根深いものではありますが

1人でも多くの人がまずは知り、意識して行動するだけで世の中の流れを変えていく事が出来るかもしれません。