みなさんは、お洋服を買う時に、原産国を確認しますか?
ハイブランド以外は、圧倒的に中国が多いですが、最近では、ベトナム、カンボジアなど、
東南アジア諸国で作られている洋服も多いなぁと思いませんか?
実は、発展途上国で生産されたものを日本に輸入する場合は、
一般の税率よりも低い税率で輸入する事が出来ます。
そういった国々の経済発展を支援する事が目的です。
特恵受益国は現在までに128ヶ国/5地域(平成31年4月現在)あります。
低い税率で輸入出来れば、私達もコストを抑えられ、利益を多く生み出す事が出来ます。
こうやって聞くと、お互いにハッピー!な内容に感じますが、
文化、言葉の違いがある中で仕事をするって、すごく大変です。
英語が出来れば余裕…なんて思っていたら大間違い。
相手国の文化、慣習を理解する事が最も重要であると感じます。
では、どのようにしてモノが日本に輸入されているのか、それについてお話したいと思います。
まず、タイトルにある貿易事務とは、海外から商品を輸入したり、
国内から商品を輸出したりする際に、税関へ適切な輸出入の申告が必要です。
このような貿易に関する事務手続きを行うのが貿易事務のお仕事です。
「輸入手続きについて」次の2パターン
- 直接関税へ手続きする
- 通関代行会社を使って手続きする
弊社は後者です。 メリットは、輸入通関を代行してくれるだけでなく、
納品先の国内配送まで一貫して対応してもらえる事です。
輸入事務で一番神経を使うのは…、
お客様の納期に間に合わせるようにスケジュールを管理する事です。
数ある通関業者も、それぞれ強みや特徴があります。
どこの会社を使うか、また、新規で見積もりを依頼するのも大事なお仕事の1つです。
輸入に関わる費用をお支払いするのは1社で済み、コストを簡単に把握する事が出来ます。
実際の貨物の動きですが 、お洋服の生産が終わり、中国から貨物が出荷される準備が整ったとしましょう。
私が経験した中では、ほとんどの貨物は、船便のコンテナにて輸送してもらいます。
<コンテナにも種類やサイズがある>
一般貨物で使われるのはドライコンテナです。
食品の場合は、冷蔵・冷凍コンテナ(リーファーコンテナ)が使われ、
例えばヨーロッパからチョコを輸入する!となると、赤道を通り約1か月かけて日本に到着しますから、
リーファーコンテナで温度調節をして出荷してもらう事が大事になります。
※カラフルなコンテナ!形状・目的は様々!
まず、中国の生産工場が船便を予約し、港まで貨物を搬入、輸出手続きを済ませ、
順番にコンテナが船に積載されます。
悪天候や繁忙期では、船の戻り(入港)が遅れ、出港も遅れます。
そういった情報をタイムリーに確認し、納品先のお客様へ迅速に情報をお伝えする事が大事です。
ここを忘れると、大きなクレームに繋がります。
いざ出港します。
※視察船から
工場から輸入手続きに必要な書類をメールしてもらい、送られてきた書類の、英語のスペリング、品番、単価など、細か~くチェックします。(とても重要‼)
中国は日本と近いので、東京港であれば4日間で到着してしまいます。
(金曜日に船が出港すると…土日を挟み月曜日に入港しちゃいます…)
納期が急であれば金曜中には、輸入手続きを通関業者へ指図します。
通関業者は、輸入禁制品ではない事や、税番の確認、製品仕入単価が過去の実績から妥当であるかのチェック、そして配送トラックを手配します。
チェック後、税関に提出する書類を作成し、NACCS(WEB上)で申告をします。
輸入許可は、以下の3種類いずれかで 判定されます。
- 簡易審査で即許可(NACCS(WEB上)で完了)
- 書類審査(通関業者が書類を税関まで持っていかないといけない)
- 内容検査(税関職員が現物検査を行う)
書類に不備が多いと、内容検査になる場合があります。そうなると、検査に時間を取られ、もちろん納期が遅れます。
前述申し上げた通り、輸入書類にきちんと目を通し、通関業者 へ正しく指図をする事が大事な仕事になります。
そして問題なく輸入許可になれば…!、一安心です。( ´Д`)=3 フゥ
後日、請求書が発行され、今回のオーダーにどれくらいの費用がかかったかを総合的に確認すると、次の商売に向けて、コストの把握に役立ちます。
最後は、通関した書類を、きちんと会社の規定通りにファイリングをします。
税関の調査が入った時に、すぐに書類を提出出来るように!
誰が見ても分かるように!がポイント。
<ここすごく大事‼>
当社では、貿易研修やセミナーが1年に数回あります(社内と外部)。
希望者は誰でも会社負担で参加出来ます。
机に向かう勉強だけでなく、港や空港を訪問したり、税関 へお邪魔出来たりします。
お台場にある東京税関では、無料で誰でも入館出来る情報ひろばがあり、
実際に輸入された禁制品の展示や、税関の歴史が学べます。ぜひ、参加してみて下さい。
※税関研修で、情報ひろばから