製品に携わらせていただいており、モノを扱う=仕事の結果が形となって見える、実感できるということに度々、幸せを感じることがあります。
その感情はどこからやってくるのか。。。
仮に、モノを直接的に扱わない金融系やサービス系の仕事をしていたならばこのような感情は感じにくいかもしれません。
職種によってやりがいは様々であると思いますが、なぜ今の仕事を選び、現在も続けているのか、それを考えたときに自身の趣味と密接な関係があるように思うことが多々あります。
一般的に食べモノにお金を使用することは食べ物の味、店の雰囲気、一時のかげがえのない至福感など至高のお金の使い方ではあると思います。
私の場合は牛丼 チェーンや街の中華屋で事足り、新しい店を開拓する際も比較サイトの評価だけを見て簡単に決めるくらいなので、やはり 、飲食に費やすよりは、その価値を実感できるモノを買うこと(モノ自体)が大好きです。
例えば、文房具。
田舎の小学校低学年のときはシャープペンシル使用不可、HB以上の濃さの鉛筆を強要されていましたが、今や私の文房具コレクションは誰からの制限も受けることなく、
自身の趣味嗜好の凝縮体となっています。
以下に私の7つ道具(普段使いの文房具)を記載いたします。
【私のデイリーステーショナリー】
- 真鍮ペンケース(日本)
- 消える3色ボールペン(日本。銀座のとあるメーカーデザイン別注品)
- ノック式ボールペン(日本。1975年発売ロングセラーモデル)
- スリムなシャープ&ボールペン(日本)
- 真鍮シャープペン芯ケース(台湾)
- 消しゴム(ドイツ)
- 手帳(ロンドン。世界で初めてダイアリーの製造・販売を開始したメーカーの手帳)
このように書き出してみると、値段以外の自身の購入基準が見えてきます。
‘①~⑤は以下の2要素が購入基準であったと考えられます。
・普遍的なデザイン
・機能性(私、字は汚いですがキレイに書こうという意思はあるため)
ここで、そのメーカー国を見ると①-④は日本で⑤は台湾です。
⑤の台湾のメーカーは台湾でステーショナリーのセレクトショップを営んでいた夫妻が満を持して、スタートさせたプライベートブランドです。
そして、そのセレクトショップには日本製の文房具が多々、扱われており当該ブランドは少なからず日本メーカーの影響を受けていると考えられます。
⑦の手帳は以下の一本です。
・デザイン(重厚感/高級感)
一昔前まで男は時計と車にこだわる、というような考え方もあったと思いますがこの手帳に関しては、そのような格好付けの考え方で選びました。
手帳といえばレザー製、レザーといえばRoyal Warrantを有する英国。
アパレルでも英国王室御用達のレザーブランドは数知れず、ということでロンドンブランドを。
⑥の消しゴムは日常業務はボールペンを使用するため、消しゴムに対しては機能性は求めず、他の文房具とデザインの相性の良いものということで、堅実肌のドイツブランドにしております。
その他デスクの中に入っているステーショナリーはドイツ製が多いです。
他欧州ブランドと比較し、主張しすぎないデザインと機能性のバランスが非常に良いからであると思います。
やはり、一般的に言われるようにドイツは生産性が良い、という側面から考えると効率=機能性を追求する気質、また産業革命期の粗悪な工業製品排除・芸術と産業の融合をさせようとした文化的歴史からの影響 があるのでしょうか。
このように文房具ひとつを例に挙げても、自身の趣味・考え方、国ごとの特色が如実に表れており、自分では非常に面白いものです。
モノの特色とそれを生み出した国の関係性という面では繊維業界と通ずる部分も多々、感じられます。
例えば、アメリカブランドは大量生産・効率主義精神から生まれるデザイン<頑丈さ、の服が多いと思います。MADE IN USAのTシャツにしても脇縫いがないものが多いです。これはシームレスで肌触りが良いという考えから生まれたものではなく、脇を縫う工程がないという効率主義から誕生したもとと考えられます。しかし、そのような大胆さやブランドロゴ、パッケージデザインの斬新さなど日本人が惹かれる部分も多々あります。
さて、ステーショナリーにこだわるという私の趣味がどう仕事につながるのか・つなげていきたいのか考えるとよく上司や先輩が言われていたこと言葉を思い出します。
「自分がこれだ!と思ったものを売ればいいんや。その熱意は顧客にプレゼンをするときにもおのずと伝わり、売れる」という言葉です。
この言葉は「決して儲からないが自分の好きなものだけを売ればよい」という意味ではなく、商社マンとして市場動向、自社の強み、需要、商材の強みを理解した上で「これだ!これなら売れる!」とある種の確信を抱いたものに労力を使え、という意味合いだと理解しております。
ステーショナリー選びはあくまで主観のみですが納得したものを妥協せずに選んでいるつもりです。
この趣向に客観的視点・要素を加え、こだわり、追求し、上司にも顧客にも熱意を持った説明ができ、売れる商材を見つけ、開発することが目標です。