貿易の種類とそれにまつわる書類のこと①

みなさん服はお好きですか?

ショッピングモールへ行けば、実用的な服から流行りの服まで色々と並んでいますよね。

その服が、どこでどんな経路で作られているか考えたことはありますか?

 

ちなみに私は今の仕事に就くまではありませんでした。購入するときに

洗濯ラベルを見ると“中国製”、“ベトナム”と書かれていることが多かったので

なんとなく中国や東南アジアで作られて日本に輸入しているのかなぁ

というざっくりとした印象しか持っていませんでした。

 

私たちのライフスタイル部では、主にアウトドア衣料の来料(らいりょう) 加工をしています。

生地やパーツ(ボタンやファスナーなど)を日本や海外から調達し

中国や東南アジアにある工場へ輸出し、縫製します。

 

今回は、その来料 加工について書こうと思います。

 

 

まず初めに、来料加工とは「加工貿易」と呼ばれる貿易形態の一種です。

その加工貿易のなかに「来料加工」と「進料(しんりょう)加工 」が含まれます。

 

◎加工貿易

原材料を他国から調達して自国で をし、できた製品を再度国外へ輸出する貿易形態のことです。

たとえばダウンジャケットを作る場合、作るための生地と資材を全て日本から輸出し

縫製だけを中国やベトナムで行い、出来上がった製品を再度日本に輸入する、という流れになります。

 

〇来料加工

私たちが、原材料・部品などを無償で海外にある工場へ送り

縫製し終えた製品を全量日本へ持ってくることです。

この場合、工場は加工賃のみを受け取ります。

 

〇進料加工

工場が直接原材料・部品を国内/国外から有償で購入し、縫製した製品を別の国の客先や

日本にいる私たちに 輸出することです。

この場合、私たちは工場に、原材料費・加工賃を含む製品代金を支払います。

 

つまり来料加工は「資材は私たちGSIが用意するから、縫製だけやってくださいね」

という形式のビジネスになります。反対に進料加工は「資材も縫製も工場が現地で手配してね。

かかった費用は全部払うから」という、オールお任せに近いやり方のビジネスになります。

 

どちらがより良いか、と一概には言えませんが、資材も縫製もお任せした方が

日本から輸出する手間が省けますし、海外で資材を調達した方が低コストで済みます。

安価で数も多い注文の時は進料加工の方が良いかも知れません。

 

逆に質にこだわった、やや高価な商品には来料加工を選ぶことが多いです。

特殊加工をされた生地や、ちょっと変わった珍しいデザインの生地など

日本各地にある生地屋さんからこだわりのある資材を

自分たちで確認しながら選ぶことができるからです。

 

さて、海外旅行に行かれたことがある方だと経験があるかと思いますが

空港には免税店と呼ばれるお店がありますよね。

免税店で売られている商品には消費税がかかりません。

高価なものであれば消費税も多くなるので、ここぞとばかりにブランドものを

免税店で買う方も多いのではないでしょうか。

十万円のバッグの消費税一万円が免税されるのです。超お得です。

 

もちろん、服を作るために輸出する生地や資材にも同じようにこの税金がかかってきます。

この場合は消費税ではなく関税(かんぜい)と呼ばれる税金がかかってくるのですが

みなさん服を作るために必要な生地ってどれくらいだと思いますか?

 

手芸屋さんで数メーター買うのとはわけが違います。

数百、数千というオーダー数のつく注文もあるのです。

必然的にものすごい量の生地が必要になります。

数百メーター、数千メーターの桁数です。

当然、生地そのものの金額も大きいですし、税金もどーんとかかってきます。

じゃあもし来料加工で生地を海外に輸出したらものすごい税金が

かかってくるんじゃ…と、真っ青になることはありません。

 

それを防ぐための制度と書類があるのです。

次回はそのことについて書こうと思います。