繊維とドラマ

繊維が出てくるテレビドラマって?

 

ドラマというと、恋愛ドラマ、企業ドラマ、刑事ドラマ、医療ドラマ

法律ドラマ、ホラー、SFなどさまざまなジャンルがあります。

 

今回は、そうしたさまざまなドラマの中で繊維が絡んでくるものを

ドラマ好き・繊維好きな私が思いつくまま挙げていく回です。

 

 

運命の赤い糸

まずは恋愛ドラマです。

 

上の写真にも挙げていますが恋愛と言えば「運命の赤い糸」。

繊維が絡む恋愛ドラマは結構ありそうなものですが

2008年にフジテレビ系で放送された文字通り

『赤い糸』くらいしか思いつきません。

 

これは、もともと同じタイトル名の携帯小説が原作のドラマ。

もっとも、このドラマの赤い糸は象徴的な

「運命の赤い糸」であって

実際に繊維が絡むものではありません。

 

ただ、原作小説やドラマの影響なのかどうかは定かではありませんが

この年には「赤い糸」というタイトルの歌が出ています。

コブクロが2008年にCMソングとして「赤い糸」を歌っていますし

新垣結衣さんがその曲をカバーしています。

 

2008年はちょっとした「赤い糸」ブームだったのかもしれませんね。

 

2012年にBSプレミアムで放送された『恋愛検定』では

繊維メーカー研究職の大野尚(武田真治さん)が、同僚(池内万作さん)の

結婚式幹事を引き受け、新婦側幹事の前田友梨(野波麻帆さん)と

恋をする(?)展開がありました。

 

これは、人間社会の“恋愛力”低下を憂いた“恋愛の神様”が

いろいろ人間にちょっかいを出すドラマですが

主人公が繊維メーカー研究職というだけで、特に繊維は関係なかったのは残念。

登場するのがなかなかクセのある俳優さんたちでおもしろいのですが・・・

 

 

繊維が絡む企業ドラマ

 

企業ドラマは割とあります。

昔は繊維商社が舞台のドラマも結構ありました。

 

有名なのは山崎豊子さん原作の『不毛地帯』です。

 

こちらは何度かテレビドラマや映画になっていて

特に1979年のドラマでは商社の繊維部門が重要な役として登場しています。

 

1993年にTBS系列で放送された『課長サンの厄年』は

萩原健一さんが繊維会社の課長さんを演じるドラマでした。

 

東芝日曜劇場枠なので割と企業ドラマが多い枠ですね。

 

でも、繊維というよりは人間のドラマだったかもしれません。

 

最近でも、2015年7月期にテレビ朝日系でテレビドラマ化された

内館牧子さん原作の『エイジハラスメント』に

総合商社の繊維部門が少し出てきました。

 

もう少し繊維が絡む企業ドラマとしては

上の『エイジハラスメント』とたまたま同じ時期に

ネットフリックスで配信されていた

『アンダーウェア』というドラマもあります。

 

こちらは桐谷美玲さん演じる時田繭子という女性が

銀座の高級下着メーカーに就職して成長していく物語です。

時田繭子はなんと繊維オタクという設定。

 

繭子という名前も繊維らしさと成長の起点を

暗示しているのでしょう。

 

 

事件解決の糸口とは?

 

 

しかし、やはり、繊維が登場するドラマの王道と言えば

刑事ドラマかもしれません。

 

なんと言っても、事件解決の「糸口」を探すのが刑事ドラマですから。

 

そもそも「糸口」とは、「巻いてある糸の端」を意味しています。

繭などを想像してもらえばわかりますが、糸の端は意外に見つけにくいもの。

しかし、いったん見つけてしまえばするすると引き出せて行けるのが糸口です。

 

最近で言うと、2019年テレビ朝日の『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』で

繊維がかなり重要な役割を果たしていました。

このドラマは主演・大森南朋さんでしたが、飯豊まりえさん演じる新人解剖医の

中園景(なかぞの けい)がある重要な証拠を持っているのです。

それが青い繊維です。

 

この青い繊維がどうなるか、私もハラハラしながら見ていました。

ご覧になった方はわかると思いますが、最終的に青い繊維は・・・。

 

繊維の最後に私は「あああああ」という気分でした。

 

テレビ朝日と言えば、『遺留捜査』や『科捜研の女』などにも

繊維が登場する回が何回かあります。

 

『遺留捜査』は主人公が「糸村」というくらいですから

当然、繊維には関心があるのかもしれません。

 

ドラマではなくリアルな繊維鑑定については

繊維系の専門誌『繊維と工業』の2008年の号に

「法科学における繊維鑑定」という記事があり

それによると1年間に兵庫県警だけで年間1700件も

繊維鑑定しているそうです[i]

[i] 宮本 直樹, 斉藤 恭弘, 高津 正久「法科学における繊維鑑定」繊維学会誌64 巻 (2008) 6 号

 

兵庫県警だけでこの数ですから日本全体の繊維鑑定数は相当多いはずです。

 

確かに犯人も裸でいるわけではないのでどうしても繊維を残して行くんですよね。

例えば、ひき逃げ事件だとタイヤに付着した繊維片をテープで採取して

それを鑑定するようです。

 

顕微鏡で見るだけではなく、光などを当てて反射光などを調べる

分光学的方法も使われていて、すごく精密な世界です。

 

溶ける糸

 

 

刑事ドラマで繊維と言うと『刑事コロンボ』も忘れられません。

 

中でも「溶ける糸」という作品が印象深いです。

こちらは日本では1973年に放送されました。

去年もBSで再放送されていました。

この作品は医学ミステリーのような感じで、タイトル通り

溶ける糸が鍵を握っています。

 

『スタートレック』シリーズでミスター・スポックを演じていた

レナード・ニモイさんが犯人の医師役だったのも印象的でした。

 

溶ける糸は手術用の縫合糸なのですが

それを本来使ってはいけないところに使ったらどうなるか

というのが、この話のポイントです。

 

 

縫合糸の世界

 

傷口や血管を縫い合わせたりするのに使う縫合糸は

医療ドラマにはよく登場します。

 

縫合糸は、溶ける糸である吸収糸と溶けない糸である非吸収糸があります。

吸収というのは溶けて体内に吸収されるということです。

 

ちなみに、医療ドラマを見ていると手術シーンで

「6-0ナイロン」とか「4-0ナイロン」みたいなことを言っています。

あれは基本的には糸の太さを示しています。

 

縫合糸には日本工業規格(JIS)と薬事法の規準があり

よく出てくるのは薬事法によるものです。

 

基本的には0~10までと0より細いものがあります。

0より細いものが2-0とか3-0などなのです。

 

紛らわしいのは0~10までは数字が大きくなる方が糸も太くなるのですが

X-0の方はXの数字が大きい方が糸は細くなる点です。

 

つまり、6-0は4-0よりも細いのです。

 

だいたい6-0の糸の直系が0.1mmより少し小さい程度です。

5-0だと0.1~0.15mmくらいになります。

日本人の髪の毛は太いもので0.1mm、細いもので0.06mm、平均で0.08mmなので

縫合糸で言えば6-0あたりが平均的な日本人の髪の毛の太さになります。

 

 

まとめ

 

法律ドラマ、ホラー・SFにも繊維は出てきますが

長くなってしまったので、またの機会に。

もし、よろしければ、ドラマを観るとき繊維に注目してみてください。