ダナンは、東南アジアのハワイを目指しているベトナム屈指のリゾート地で
ホーチミンとハノイのちょうど真ん中にある海岸線沿の街です。
ダナン~ホーチミン間は飛行機で1時間ほどのフライトですが、
日本からの直行便も就航しており便利になりました。
私が初めてダナンを訪問したのは2007年の夏の頃で、同地にスポーツウエア縫製の
合弁工場を作る為に、色々な工場建設可能用地の視察や政府関係者との会合を行うためでした。
その当時はほぼ誰もダナンを知らず「それ何処???」ってな感じでしたが、
本当に美しい海岸線が広がっているところでした。
私たちも市内中心部に近い高級ビーチリゾートホテルに宿泊させていただきました。
めちゃくちゃ美しいロビーと広いアジアンテイスト満載のお部屋、人間の労働意欲を
悉ことごとく粉砕する数々の誘惑が満載のリゾートホテルでした。
仕事で来ていたことを心底恨んだことを鮮明に覚えています。
当時のダナンは、日本人の観光客もまばらで欧米の宿泊客が朝からプールサイドで
ビールを飲みながら読書をされたりカードゲームをされていたり、とても静かで
ゆったりとした時間が流れていました。
そのような優雅な光景を横目に見ながら、私たちは、スーツにネクタイ、汗をふきふき
“24時間働きます!”的な感じで大量の書類やファイルを持ってロビーを右往左往、
なんと迷惑で可哀そうな感じに映ったことでしょう!
(当時は、国内外の出張時には通信環境も悪かったので重量級のPCは持参していましたが、
必要書類は念のため全て紙で持って行ってましたね)
そのダナンに12年ぶりに妻を引き連れ再訪しました。
目的は、中国の友人のご子息の結婚式に出席するため。
このご子息は小学生から大学卒業までに日本に留学しており、私の家にも居候をしていた子で
ハンサム&とても聡明でした。
その彼がオーストラリア国籍のベトナム人の別嬪(べっぴん)さんと日本で出会って
遠距離恋愛のすえのゴールイン。なんとも喜ばしい話です。
既に1回目の結婚披露宴は中国の大連で開催され、お誘いいただきましたが仕事の都合で断念、
と言うかダナンに行きたかったので、、、お断りして2回目の披露宴に参加した次第です。
ベトナム式の結婚パーティに参加したのは初めての経験でした。
ホテルのプールサイドを貸し切って300名程度の招待客が来られるそうなのですが、
どう見ても500席ぐらいの用意があり、中央にはステージが作られ生バンド演者と
立派な拵え(こしらえ)でした。
パーティ参加者は、お昼過ぎからパラパラと来られて
ブッフェスタイルの飲食(もちろんお酒も!)を楽しんでおられました。
「何時から披露宴ってスタートするの?」と妻がたどたどしい英語でホテルのマネージャーに
確認していましたが、答えは「???」。
南国らしくなんとなく宴会が始まって、午後3時ごろにほぼ予定していたご来賓がそろった
とのことなので新郎新婦が皆の前でスピーチをして各テーブルを回って挨拶していました。
でも結婚のセレモニー的な行動はこれだけで、来賓の挨拶も無ければ、
馴れ初めの紹介等も無し、、、皆が好き勝手に出入りして飲み食いし談笑が延々と
続いている印象です。
夕方6時頃になり少し日差しが柔らかくなったころに突然生バンドのカラオケ大会が開催され、
おそらくプロと思われる司会者(もしかしたらお笑い芸人の闇営業?)が無作為に来賓者に
歌うようの強要しており、私も新郎と良く歌いに行っていたので心の準備はしていましたが、
案の定お鉢が回ってきました。
日本の歌をリクエスト頂いたので演奏可能な日本の歌をお聞きしたところ10曲程度あり、
その中からド定番ですが「上を向いて歩こう」を歌いました。
同じテーブルのベトナムの女性は、沢田知加子の「会いたい」が好きなので歌ってほしいと
懇願されましたが、恋人が亡くなり悲哀たっぷりに“会いたい~うぅ~(泣)”と朗々と歌う歌は、
歌えますが、、、いくらベトナムでも結婚式で歌ってはいかんでしょう!ということで却下しました。
宴会が終わったのかよく解らず、明確なお開きのアナウンスもなく、夜9時を過ぎても
まだ数十名が残っており、その半数ぐらいは酩酊状態もしくは熱中症で動けなくなっている?、、、
おそらく彼らは朝までこのプールサイドで寝てはるんでしょうね。
(誰からも咎とがめられることもなく、、、)
私たちも疲れたので部屋に帰還しようと主役を探しましたが一向に見つからず、、、
いい加減なもので「まあ、いいかっ~」って感じで、そのまま部屋に戻って爆睡しました。
なんとも締まりのない宴席でしたが、南国らしいほのぼのとした良い経験が出来たと思っています。
商社に勤めて約30年、ずっと海外畑でお仕事をさせていただいたので色々な国の方々と
友人付き合いさせて頂き、その中には国籍や宗教も関係なく非常に仲良く家族ぐるみで
お付き合いしている方も多く、慶弔事けいちょうことにも参加させていただく機会も増えています。
習慣の違いに驚くことは本当に多々ありますが、いろいろなシーンで発見があり、
それがまた楽しくてわくわくしています!
でも毎回思うことは、日本人は「ちゃんと時間を守り、服装や礼節、言動をわきまえた
律儀な民族だなぁ」ということ。
この習慣が時には仇となって自分自身を苦しめることもありますが、世界基準で見た場合、
ビジネスの世界では非常に強力な武器であり、美徳だと思います。
友人付き合いは多少ファジーな(あいまいな)方がお互い楽な面もありますが、
仕事は信頼関係が非常に大事なので、教育いただいた習慣は大事にしていきたいと常々思っております。