ギターと私・・・その出会いと別れ・・・

繊維事業戦略室に所属する私は、自身のテリトリーが介護・防災・堅牢度試験器

(生地の「色の変わりにくさ」「色落ちのしにくさ」の度合いを調べる器械)等の多岐に

亘っている関係上、いろいろな会社を訪問しますが、そのほとんどが初めて訪問する会社です。

 

そこで出会う人たちは、もちろん初対面。

いくつになっても初対面は緊張するものですが、不思議なもので、年齢とともにその出会いに

心地良さを感じる自分に気づきます。

そんな私は今でも気分転換にギターを弾くのですが、そのギターとの出会いを振り返ってみたいと思います。

 

それは確か、中学2年生の秋の文化祭…。

とある教室から楽器の音が聞こえてきて、その音に惹かれて教室を覗いてみると、

黒板の前に恐らく3年生と思われる先輩バンドがそこに居ました。

 

エレキギターが二人にベース、ドラムスの男4人編成で、上手いか下手かはさておき、

とにかく楽器を演奏する人たちを初めて生で見た私は、彼らに釘付けになりました…。

 

演奏していた曲は後から分かったのですが、ザ・ベンチャーズの「ダイアモンド・ヘッド」

「パイプライン」通称テケテケ(※注1)や、ビートルズの「She Loves You」「Help」、

ディープパープルの「Smoke On The Water」だったようです。

印象的だったので、今でもはっきり覚えています。

 

当時、私は軟式テニスに没頭し、音楽にはさほど興味はなかったのですが、

彼らが「音楽」に対する興味の扉を開けてくれたような気がします。

 

その後、どうしてもギターが欲しくなり、駅前の楽器屋さんで見つけた白いギターを、

翌年のお年玉で買いました。

 

なぜ、白いギターなのか…。

その理由は、チェリッシュという男女のペアが歌ってヒットした曲名が耳に残っていて、

そのタイトルだけで私にとっては、ギター=白と決めつけていたようです。

ところが、色の意識があまりに強く、選ばずに買ったもので、なんとその正体はガットギター…

いわゆるクラシックギターでした。

 

そもそもその違いも当時はわからず、こんなもんだと練習に励むのですが、最大のネックは、

ネックが太くて(笑)、小ぶりの手、短い指では非常に弾きづらい代物だったということです。

ただでさえ押さえにくいFのコードをマスターするのに、ずいぶん苦しんだ記憶があります。

 

当時、周りにギターを弾ける友達がいなかったので、独学で必死に練習しましたが、

ギターを弾けるというには程遠いレベルで中学を卒業しました。

 

 

そして高校に進学し、同じクラスになったT君と運命の出会いを果たします。

入学間もなく、トイレで横並びになったT君に、「ギター弾ける?」と聞いたところ、

「当たり前やん!」と、人を馬鹿にした返事。

そこはこらえて「俺、下手なんやけど教えてくれへん?」というと、「いいよ」と二つ返事。

「案外いい奴やん」と思い、まずは教室で聞かせてもらうことに。

そして教室で、生まれて2度目の釘付けに…。

 

上手く弾けない私から見ると、とにかく上手い、めちゃくちゃ上手い、神様!って感じで、

当時私の難関だったFをいとも簡単に押さえるし、圧巻は、ピックを使ってアルペジオ

(1音ずつ順番に連続的に発する演奏方法のこと)を弾くなんて芸当をやってのける。

 

「これはこいつに教えてもらうしかない」と心に決め、当時所属していた硬式テニス部を辞めて、

T君に弟子入りすることにしました。(当然彼にそんな気はありませんが・・・)

 

ここで白いギターとはお別れし、T君に教えてもらった楽器屋さんで、いよいよ念願の

フォークギターを手にします。

そのギターの名は、ギターブランドで有名な、ギブソンでもマーチンでもモーリスでもない

「ナッシュビル」。ほとんど知られていない名前ですが、コードを押さえた感じが気に入った

ので、決めました。

 

当時で8万ぐらいしましたね。

親戚が多い上に一人っ子。

お年玉貴族だったようです。(笑)

 

それから現在に至る約40年間、このギターを愛用し続けることになるのですが、昨年の10月・・・。

このギターとの突然の別れが訪れます。

いわゆる運送事故。

ハードケースに入れていたのですが、ギターの側面全体がヒビ割れし、一部が破損。

修復したところで、元の音色は・・・(泣)

そのまま自宅に置いておいてもよかったのですが、それも忍びなく、思い切って思い出とともに

手放しました。

 

私は今回、たまたまギターのことをお話ししましたが、学校、仕事、趣味、恋愛、結婚等々・・・

長い人生は、出会いと別れの繰り返しです。

別れは辛いものですが、出会いにはそれを上回る喜びがあります。夢があります。

仕事でも、新しいことにチャレンジし続けるのは、そこに喜びと夢があるからこそだと思います。

これからも、「辛い」の先には「喜び」があると信じ続けたいと思います。

最後に、その後新しいギターを買いました。

その名は「テイラー」

新しい出会いです。

 

(※注1)

テケテケとは・・・

上記の曲に使われているギター奏法の一つ。

6弦の適当な上部から、ピックで上下に弦を弾きつつ、ブリッジミュート(指の腹で弦に触れて音を消す)を掛けながら下部にミュートを移動させる奏法。