『手洗いと常在菌』について

「手洗いと うがい」、新型コロナウイルスの蔓延で、毎日、目に耳にしない日は無いですね。皆さんは1日何回していますか?人によっては10回以上しているでしょうね。

 

私は、時間をかけての手洗いを ためらってしまいます。

以前、繊維への抗菌防臭加工を学んだ際

「皮膚には各種の常在菌が約10万/㎠存在し、臭いが発生する約63万/㎠まで増殖するのを抑制する加工」

「常在菌には身体を保護する菌もあり、殺菌加工は良くない」

と教えられたからかもしれません。

 

また医師・医学博士である藤田紘一郎氏著『手を洗いすぎてはいけない』で「過度の手洗いは感染症にかかりやすい状態になる」「流水で10秒間だけでいい」とあり、

下記の記述があります。

・人間の皮膚には10種類以上の常在菌がいて、皮膚を守ってくれています。

・常在菌は皮膚から出る脂肪をエサにして、脂肪酸の皮脂膜を作り出します。

・この皮脂膜は弱酸性で、病原体のほとんどは、酸性の場所で生きることが出来ません。

・つまり常在菌が作る弱酸性の脂肪酸は、病原体が付着するのを防ぐ「バリア」となります。

・昔ながらの固形石鹼を使うと、一回の手洗いで常在菌の約90%が洗い流されますが、10%の常在菌が残っていれば、再び増殖し、約12時間後には元の状態に戻ります。

・殺菌効果の高い薬用石鹼やハンドソープを使った手洗いでは更に洗い流されます。

・数時間おきに石鹸で手洗いすると常在菌を著しく減少し、脂肪酸のバリアを失った皮膚には、アルカリ性を好む悪性の病原体が付着しやすくなり、手指から口に入り易くなります。

 

一般的に、10秒間ぐらいの流水ならば、石鹸を使っても常在菌を完全に洗い流すことは出来ないが、付着しただけの一過性細菌(通過菌と言います)は洗い流せると言われています。

———洗浄と育菌スキンケアで皮膚の常在菌を整える

「菌活」という言葉を聞かれたことがありますか?

常在菌で人体を活性化という略語で、ヨーグルトや納豆、キノコ等、身体に良い働きをする善玉菌で、腸内環境(フローラ)を整える「腸活」は、その一つです。腸内は、人体で最も多く常在菌が存在するところです。

そもそも人体には、頭髪や皮膚などの体表をはじめとして、消化器、口腔内、泌尿器などの体内に、個人差はありますが、800~1000種類の数百兆個にも及ぶ細菌が存在すると言われています。また現在でも全ての菌が解明されてなく、新しい菌が発見され続けています。

皮膚の常在菌が安定したバランスの時は、皮膚の病原体・悪性細菌の侵入を抑え、皮膚の

バリア機能を保ち、また皮膚刺激から肌を守るなどの役割を担ってくれます。

しかし、常在菌のバランスが崩れてしまうと、肌の抵抗力が弱まり、有益か無害であるはずの菌が、悪性細菌の侵入を阻まず、炎症や発疹などの皮膚トラブルとなります。

 

私たちの皮膚の常在菌には、主に下記の三種類があります。

1、「善玉菌」⇒肌にとって良い働きをしてくれる菌

代表的な菌:表皮ブドウ球菌⇒最も多く存在し、皮膚に潤いを与え、乾燥を防ぎ、外部からの刺激から守ってくれます。皮脂や汗を食べ、グリセリンや脂肪酸などの有益成分を生み出す「美肌菌」とも呼ばれています。

2、「日和見(ひよりみ)菌」⇒善玉菌と悪玉菌のバランスに左右され、良くも悪くもなる菌

代表的な菌:アクネ菌⇒普段は善玉菌の働きをしますが、ストレス等でバランスが崩れ

皮脂が増えると脂肪分の多い場所に定着し、毛穴の中で増殖してニキビを作ります。

3、「悪玉菌」⇒肌トラブルや臭いの発生要因となる菌

代表的な菌:黄色ブドウ球菌⇒健常成人の約30~40%が保有し、通常は無害ですが、

院内感染の起因菌や、食中毒の原因となる毒素を作り出し、かゆみや肌荒れ、アトピー

性皮膚炎の原因ともなります。アルカリ性を好むので、肌の弱酸性を保つ善玉菌が少な

くなると増殖する傾向があります。

「育菌」も「菌活」の一つで、文字通り「善玉菌を育てる=棲みやすい環境を整える」という意味です。

そのためには「過度に洗い過ぎず、また不潔にもせず、菌と上手に付き合っていくこと」、「洗い過ぎた時には、弱酸性のローション等で、肌を潤す役割の表皮ブドウ球菌が棲みやすい環境を整えること」が重要です。

 

とは言うものの、手洗い・うがいはきちんとしましょう。

以上、ご参考になれば幸いです。