サステナビリティ

最近、アパレル素材の提案の際、

お客様の要望らしく、「リサイクル品も取り入れないといけないらしい、、、、」

と、言っているのが聞こえます。

又、従来品と同じ生地であっても、明細に「リサイクル」と書いてあったりします。

どうやら、これは、「サステナビリティ」の一環のようだ。

 

「サステナビリティ」 =  Sustainability  持続可能性

どういうことなのか?

 

環境・社会・経済の 3つの観点から、この世を持続可能にして行こう、ということ。

 

ご存じの通り、今世紀、環境・自然破壊、汚染、資源渇望かつぼう、貧困等の大きな問題があります。

企業は営利を追求するだけでなく、これらの問題、すなわち環境・社会・経済に及ぼす影響

も考慮し、それらを統合した経営、事業活動を行わなければ、ならないということです。

真っ先に貢献できる方法として、「リサイクル」が挙げられます。

 

例えば、身近な原料として羊毛、羽毛があります。

 

 

羊毛(ウール):糸として紡つむげるようになるには

① グリージー・ウール (羊から毛を刈り取ったままの状態)

脂、糞、草木の種子、埃、土がついていて汚い。

 

②スカード・ウール

グリージー・ウールを洗ったもの。 未だ少し糞、草木の種子などが残っています。

 

 

 

 

 

 

③カーデイング加工

スカードをカード機にかけると、ふわふわの 綿わた状態(ウエッブ)になります。

カード機は、綿わた状の繊維の方向を揃えて、櫛で繊維を1本、1本ほぐす機械ですが

ウエッブは、未だ繊維が揃っていない状態です。

●ウエッブを大きなカード機に付いているドラムに巻き取ってはずすとシート状に

なるので、フェルトや布団作りに使用される。 ( = ロール)

●幅 約 20㎝ の帯状に巻き取る場合もある。( = カード)

ロールを細長くしたような形状。

 

 

④スライバー加工

ウエッブを更にカード機にかけ、繊維を平行に揃え、ロープ状にしたもの。

この段階から、紡績(原料、主に綿、麻、羊毛等の繊維から、糸の状態にすること)

可能となる。

 

 

 

 

 

 

⑤トップ加工

スライバーをコーミング機に(コーミング = 梳すく。髪の毛を梳すくような感じ。)

かけて、完全にゴミを取り除いたもの。 ロープ状。 最も綺麗。

 

 

 

 

 

 

上記のような工程で原毛が使用できるようになった後、更に防縮加工、染色、紡績(ぼうせき)

を行うので、製品に使用されるには、大変、時間とコストが掛かります。

又、原毛を洗浄し、カード機、コーミング機にかける度、不純物やゴミが出ます。

防縮加工には化学薬品が使用されるので、環境にも良いとは言えません。

羊も頻繁に毛を刈られるのは、ストレスが溜まります。

そこで、リサイクル!  

不用になったウール製品を回収し、紡ぎ直して使用することで、上記の工程はすべて

省けます。 コスト軽減になるだけでなく、環境汚染にも大いに配慮することになります。

 

 

 

 

羽毛(ダウン):使用できるようになるには

①除じょ塵じん   (原羽毛に付着しているゴミ、塵ちり、不純物を取り除く作業。)

②洗浄・脱脂・すすぎ・脱水

③高温にて乾燥・熱消毒・フワフワ感の復元

④冷却徐塵

(③の工程で羽毛が非常に高温になっている為、常温に冷却、再度、塵も取り除きます。)

などの作業を行います。

羽毛は羊毛と違い、刈り取ることは出来ないので、食肉用に成長させた家禽かきん*を殺傷し

毛を抜きますので、需要が増えれば、殺傷される家禽(かきん)の数も増えます。

(*家禽かきん : 食肉、卵を産ませる、羽毛を取る等の理由で飼育される鳥類の総称。)

 

羽毛のリサイクルは、不要となった羽毛布団やダウン製品を回収し、再度、上記工程

にて使用可能にします。 作業工程は羊毛のようには減りませんが、もし大量の

羽毛をそのまま捨てるとなれば、焼却により、二酸化炭素が発生し、大気汚染

となります。

羽毛もリサイクルすることにより、環境保全、必要以上に生き物を殺傷しないと

いう意味で、サステナビリティの一環であると言えます。

 

 

当課は、2019年の秋冬物のジャケットやコートにリサイクル・ダウンを使用する

計画でしたが、少し前から、中国政府が、中古品、特に繊維製品・動物の毛・皮の輸入を禁止してしまった為に、諦めざるを得ませんでした。 日本、アメリカ等から、

リサイクルを中国でさせようと膨大な数の古着、古紙、ペットボトル、不要電気製品等を持ち込んだ為に、環境汚染を引き起こしたり、保管場所に困った為の処置です。

当課は日本でリサイクルした羽毛を輸出し、中国で縫製されるコートやジャケットに

詰めることが目的でしたが、リサイクル品 = 中古品と判断されてしまうこと、

又、羽毛のリサイクルを中国で行いたいと考える企業が出てくる可能性もある為、

禁止対象となります。

リサイクル・ウールは、今年、手袋に使用予定です。(日本国内生産)

原料だけでなく、ナイロン、ポリエスター生地のリサイクル品(化学繊維を元の

原料まで戻して再生する)は、既に使用しています。

明るい未来の為に

快適で着心地のよい製品を作ると共に

このように環境保全、社会貢献の一環を担うべく、

よりいっそうの企業努力が望まれています。

 

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