高速道路の湾岸付近を走っていると、色とりどりのコンテナが積んである埠頭を見られた事があると思うのですが、カラフルすごく綺麗に積まれていますね。このコンテンナはどのように積まれていくのか、、、
この会社に入社し、貿易に携わる仕事をするようになりました。
事務所では書類とのにらめっこのみ。。でも、その仕事をできる事の嬉しさだけが先走り、仕入先へ輸出する貨物を納品する倉庫を指示した後は、どのように貨物がコンテナに積み込まれ、どのようにコンテナが2段、3段と積み上げられるのか等、私は港が大好きなのに、そこで行われている作業には関心がありませんでした。
そんな時、お世話になっている通関業者様開催の港湾見学案内のお知らせが社内よりあり、参加させて頂きました。
見学場所は、港にある通関業者様の事務所と輸出貨物を保管する倉庫で、
その倉庫ではコンテナに貨物を積むための準備がされていました。
その時に初めて目にしたリフトのようなクレーンのような乗り物
何これ!? コンテナを軽々持ち上げている!! 度肝抜かれました。。
調べてみると、リーチスタッカーと言われる特殊自動車でした。
港湾にはコンテナを動かす色々な機械があるのですが、その中のひとつ、
リーチスカッターをご紹介したいと思います。
・リーチスタッカーとは?
海上コンテナを取り扱う荷役にえき機械きかいの一種で、
コンテナを吊り上げて移動または積上げしたり、コンテナ輸送用車両に積みおろしする特殊自動車です。車両そのものはクレーン車のような構造をしています。
クレーンと同様のアームが伸び、伸縮可能な箱型ブームを装置しており、ブーム先端に取り付けられたスプレッダーという装置に取り付けられているツイストロックをコンテナの上部、天板4隅にあるツイストロックホールと呼ばれる金具に差し込み、
ツイストロックを回転させることで固定しコンテナを持ち上げます。
このスプレッダーでコンテナサイズに合わせて長さを調整しガッチリ掴みます。
一般的な海上コンテナの大きさ、重量をご紹介します。
(重量は船社によって誤差があります)
・20フィートコンテナ(幅2,438㎜×高さ2,591㎜×長さ6,058㎜)
空コンテナの場合の重量:2,330~2,400KG(2t~2.5t)
最大積荷荷重:21,670KG(21t670KG)
最大総重量:28,080KG(28t080KG)
・40フィートコンテナ(幅2,438高さ2,591㎜×長さ12,192㎜)
空コンテナの場合の重量:4,000KG(4t)
最大積荷荷重:26,480KG(26t480KG)
最大総重量:30,480KG(30t480KG)
重量を見るとすごく重たいですね。
でもこんなに重たくてもリーチスカッターの重量が約70,000KG(70t)もあるので、20フィートコンテナ、40フィートコンテナも軽々に掴み上げられます。
では、どれほどの重量のコンテナを取り扱う事ができるのか?
コンテナでは段積みにして、保管面積を有効活用されていますが、このリーチスタッカーもクレーンと同様、荷物の重心が車体から離れれば離れるほど、取り扱える重量も小さくなっていきます。
1列目のコンテナであれば45,000KG(45t)
2列目30,000KG(30t)
3列目15,000KG(15t)という事になります。
それでも45トンや30トンものコンテナを、何段も積上げられるのが本当にビックリです。
見学時は輸出貨物を積み込みするために、20フィート(約6m)の空コンテナ(約2.5t)を掴んでいましたが、貨物積込み前で重量も軽いため楽々に宙に浮かしていました。走行速度も小走りでも追いつかれそうな位の速さで移動していて、リーチスタッカーの大きさと、掴み上げられているコンテナの大きさで迫力はすごいです。コンテナへの貨物の積込みは、フォークリフトや物によっては手積みになります。
積込みが終わると掴み上げ移動し、また空コンテナを持ってくる移動の繰返し。
人間そこのけそこのけ!!です。
*実際の見学画像です。
今までは「コンテナがいっぱいある!!すごーい!!綺麗!!」などなど、単純に景色を見るだけの感覚でしたが、この大きな荷役にえき機械きかいで港の整理がされているからこそ、あの景色があるのだと実感しました。
このリーチスタッカーは、日本国外で1990年頃から普及し始め、作業自由度と効率の高さから、長らくコンテナ荷役の主役であった大型フォークリフト等に取って代わって、主役になりつつあります。免許は作業(コンテナーを移動させるために)を行う場合は、法的に要求される免許・資格(技能講習終了証)等は現時点ではない為、現在はフォークローダー運転技能講習を修了した者であれば良いとされています。
港湾見学がありましたら仕事に関係なく是非参加してみて下さい。
私はもう一度行きたいです!!