貿易の種類とそれにまつわる書類のこと②

前回は来料らいりょう加工かこうについてお話しましたが、今回はその来料加工とは切っても切れない制度と書類について書きたいと思います。

【前回の記事】貿易の種類とそれにまつわる書類のこと①

前回の最後にも書きましたが、数千メーターもの生地や資材を日本から輸出した場合、通常であればその生地を買った側(つまり輸入する国側)に税金がどーんとかかってきます。ですが、厳密にいえばこの生地はオーダーされた服を作るために必要な生地で、出来上がった服はまた日本に輸出しなければなりません。工場側にしてみれば、自分たちの国で販売する商品をつくるわけでもないのに、高い関税を支払わなければならないなんて理不尽だ!と感じますよね。当然です。

それを防ぐために、自分たちの国で販売するためではなく、商品にして再度国外へ輸出するための生地であるということを税関に知らせる「免税手冊(めんぜいてちょう)」とよばれる書類を工場は契約ごとにつくります。そして生地を輸入する時と、その生地を使って出来上がった商品を日本に輸出する時に、税関にその書類を提出します。そうすることで、輸入の関税をかからなくすることができるというわけです。

 

免税手冊は工場が資材を輸入する前に完成させる必要があるため、私たちは輸出する予定のファスナーやボタンなどの資材、使用するさまざまな生地の情報を工場側に伝え、作成してもらいます。もちろんまだ実際に資材や生地は出荷されていないため、数量はすべて出荷予定の数で記載されます。

この「免税手冊」、読んで字のごとく『税』を『免除』してくれる書類なので当然と言えば当然なのですが、免税する代わりにルールが厳しい書類でもあります。

たとえば、免税手冊に記載した予定のメーター数よりも実際船に積まれてきたメーター数がかなり多い場合、輸入を許可してもらえないことがあります。

これは、加工をお願いしている工場の規模や、工場のある地域の行政体制にもよってくるので、どれくらいオーバーしていると輸入できないかは一概には言えないのですが、通関で止まってしまうと製品の納期にも影響が出てしまうため、輸出前の工場側との綿密な数量の確認がとても重要になります。

さて、工場側には輸入の関税を免除してくれる、こんな画期的な書類があることが分かりました。じゃあ今後、出来上がった商品を日本に輸入するときは? 何千枚、何万枚ものコートやダウンがコンテナいっぱい積まれてきたら、ものすごく高い関税がかかるんじゃないの?と、震えることはありません。来料加工(らいりょうかこう)では、日本側に輸入する時にも似たような制度と書類があるのです。

次回はその制度『暫定八条(ざんていはちじょう)』について書こうと思います。