みなさんよくご存じの鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリ。
あのF1マシン、海外でレースが終わったあと飛行機で中部国際空港に到着するのです。
本来なら輸入関税はかかるのですが、実際、関税はかかっていない事、ご存知でしたか?
どのような物であっても海外から国内に入ってくる際は関税をかけなければなりません。例外というのは数あれど、それではなぜ、F1マシンには輸入関税がかかってこないのでしょうか。
貿易のしくみを知るために本を購入しました。全部が全部始めて知る事ばかり。
その中の1つ、保税地域とF1マシンのお話です。
「保税地域」という言葉、ほとんど聞かないと思うのですが、日本の外国船や飛行機が発着する港湾や空港の近くには「保税地域」と言われる場所があります。
輸出入の許可が下りるまで貨物を蔵置される場所の事をいい、ここでは税関による審査や検疫、禁制品のチェックなども行われています。
「保税」とは、*外国貨物に課す関税(輸入税)を一時留保する(関税を支払わなくてもいい)という事。
*外国貨物:輸入の許可を受ける前、輸出の許可を受けた貨物の事。
もっとわかりやすく言うと、保税地域に蔵置されるものはまだ国内に輸入されていないこととなり、当然関税がかからないのです。
関税を払わずに(保税)一時保管できる場所(地域)。
これを保税地域といいます。
そもそも、保税地域はF1マシンのような例外的措置を図ることが目的ではなく、本来は秩序ある貿易を維持し、関税などの徴収の確保を図り、貿易の振興と文化交流に役立てるということが目的です。
ちなみに、保税地域には以下の5種類あります。
≪保税地域の種類と主な機能≫
F1マシンが到着する中部国際空港セントレアは、日本の空港で唯一、総合保税地域の許可を受けています。
レーシングカーは高額なため、輸入すると莫大な関税がかかります。
輸入品というのは一般的に高価であれば高価であるほど多額の関税が乗っかってくるためです。
レーシングカーは日本で行われる大会に参加するために持ち込まれるだけで、日常的に日本で使う予定もない、国内販売するでもない貨物に対して関税をかけるのは問題です。
そのため、このようなレーシングカーに「保税措置」を取ります。
日本には輸入品ではないという扱いにした上で、外国貨物のままサーキットで使えるようにしているのです。
そして大会が終わると外国へ送り返して、日本側では高額な関税がかからないようにしているという仕組みになっています。
F1はマシン以外にもセーフティカーと呼ばれる車があるのですが、この車は日本で用意をするのではなくレース期間中、マシンと一緒に海外をまわることになります。
これに関税をかけるとなると、、、すっごい巨額な関税になりますね。
それを含め、解体されたF1の機材は約6~8機のチャーター便ジャンボ機が次々に到着し、通関検査後、約100台のトラック、トレーラーで鈴鹿サーキットへ運ばれます。
実際に見ると風で飛んで行きそうに思った隙間ある車、でもタイヤの幅はすごく広く、大きいです。レース後のタイヤは溝がなくボロボロです。
破れる予選、予選、決勝の3日間の開催で、決勝では約70~80周走るのですが、耳の鼓膜がと思うほどのエンジンの爆音は全身に振動が走ります(汗)
人も車も多いのでなかなか足が向かないですが、せっかく日本で開催されるので是非とも行って頂きたいです。ひやひやドキドキです!!