今と昔

私が社会人デビューしたのは 昭和最後の年でした。

あるアパレルに「デザイナー」として入社しました。

配属されたのは、婦人専門店向け(街の洋品店向け)の ミセスブランドでした。

 

企画の進め方としては、

各季節の企画を始める前に、

デザイナーとMDで「テーマ」を考え、「イメージMAP」を作製します。

*MD=企画開発から販売計画・予算管理までを管理する業務

 

企画と営業、生産担当との会議でO.Kが出ると、

具体的に ブランドコンセプト、シーズンテーマ、イメージMAPに沿って、

色・素材・デザインを決めていきます。

 

そして 各縫製メーカーに「こういう服を作って」という「仕様書(指示書)」を

作成します。

 

その頃は 全てがアナログ。

 

イメージMAPは

在籍している部署で毎月購入している雑誌を 見直し、

イメージに合う写真を探し、カラーコピーをして、切り取って、糊で貼る。

 

写真が足りないときは、古い雑誌を売っている店に出向き、購入して 写真を集める。

「仕様書(指示書)」も 全て手書き。

 

もしくは デザインした「絵型」だけを描いて、コピーして、ハサミで切って、

「仕様書」に 糊で貼ってから、指示の文字を書き込んでいました。

 

縫製メーカーに依頼する時も

メールなんてものは 無く、書類は まず、FAX送信する。

そして「運送便」で送る、が当たりまえ。

 

*FAXは 途中で赤色などで書き足したりすると よく文字が潰れていたり かすれたりしました。

紙も最初の頃は「感熱紙」でした。

「感熱紙」って 年数経ったり、熱を当てると 文字が消えるんです。 丸まるし・・・。

嘘みたいでしょ?

 

そういえば、FAXが コピー用紙になって「よかった」と思った記憶があります。

 

プリントやボーダー柄など、色展開毎に配色確認が必要なものは、

図案屋さんに依頼をするか、自分で「ポスターカラー」「水彩絵の具」で描いた時代です。

 

商談用に 1つの色展開に7色くらいある「マルチボーダー」柄の色替えバージョンを

ポスターカラーで 2柄×4色ずつ、合計8パターンを ほぼ 1日かけて 書いた記憶があります。

また、鉛筆で図案を描き、塗り絵をして、プリント版を依頼したら、

輪郭不要な柄にしたかったのに、輪郭があるプリントに上がってしまい、展示会で大失敗した事もありました。

 

今の若い方からすると「信じなれない」かもしれませんね。

アナログの時代を知っている者からすると、今の時代は すごい!

 

ネットなんて無い時代です。

そもそも「パソコン」が部に数台しかなかった。

「お絵描きソフト」なんて 考えた事もありません。

今はなんでも「パソコン」の時代。

洋服の絵型を描くのも、図案を描くのも、図案の色替えをするのも、

パソコンのソフトを使えば 簡単に色替えができます。

(使いこなすまでには 相応の時間は必要ですが。)

 

 

外部の図案屋さんや生地屋さんに 依頼していたものが、

自分で作れるし、ブランドMD(マーチャンダイザー)に確認が可能でした。

パソコン上での作業時間は かかりますが、

それでも 外部に依頼するよりも 確実に早く、そして余計なお金がかかりません。

 

仕様書(指示書)も、図案も、しかもカラーで メールで送信できるから、

昔よりも はるかに「早く・きれいに・確実に」進められます。

 

なんて すばらしい!!。

なんて スマートになっているの!?

 

30数年前、「色付きのFAX」があったらいいな、と思っていた私。

でも、今の時代は その頃の想像以上。

 

この先、10年・20年後は どう変わっているんだろう?

きっと 今の私では 想像もつかない未来になっているのでしょう。

進化するスピードに どこまで ついていけるかわかりませんが、

いけるところまで 頑張っていきたいです。