貿易の種類とそれにまつわる書類のこと③

 

【過去記事】

貿易の種類とそれにまつわる書類のこと①

貿易の書類とそれにまつわる書類のこと②

 

前回は日本から輸出した生地や資材を中国側が輸入する際に税をかからなくするための免税手冊(めんぜいてちょう)について書きましたので、今回は出来上がった製品を日本側に輸入する時に使用する暫八(ざんぱち)書類とその制度について書きたいと思います。

 

さて、中国にある工場が輸出してきた製品を日本側で輸入する場合、通常であれば関税がかかってきます。簡単に説明すると、この関税というのは国を跨ぐ買い物をした時、輸入する側の政府によって課せられる税金のことです。

 

日本から輸出した生地を使って海外(この場合は中国)で縫製し、また日本に輸入するのに生地を含む製品全部に関税がかかるのはおかしいですよね。もともと日本の生地なのですから。これを防ぐための仕組みとして「暫定八条(ざんていはちじょう、略してざんぱち)」という制度があります。

 

この暫定八条を使い資材を工場のある中国へ輸出する時、日本の税関ぜいかんで「これは製品にするための資材」として記録が残ります。そして製品の輸入の時に必要書類を準備し、税関に残っている記録と照らし合わせることによって「資材分の関税」を支払わなくても良くするのです。

 

 

具体的にどんな書類を準備するのかというと、輸出の時には

・ハガキサイズ大ほどの生地サンプル

・製品に使用する資材の一覧表

・工場との契約書、暫定八条の申告書(確認書と呼びます)

・通常の輸出書類(インボイス、パッキングリスト)

これら一式を税関へ提出します。

 

輸入の時には、工場から取り寄せた輸入書類(インボイス、パッキングリスト)の他に、付属書ふぞくしょと呼ばれる書類を作成します。

 

例えば、「メンズのダッフルコートA」という製品の付属書の上には、表地を何メートル、裏地を何メートル、資材(ボタンやファスナーや紐など細々したものをまとめて)何ピース、と数量を記載します。この時、この付属書に載っている数量と、輸出の時に税関に提出した暫定八条の申告書の数量は一致してないといけません。そのため、輸出の回数が増えれば増えるほど、数量の管理が大変になってきます。

 

これらの書類を揃えたうえで輸入申告をします。そうすることにより、税関に「このメンズのダッフルコートAは日本から輸出した資材を使って加工された製品である」と判断してもらえ、中国工場での加工賃に対する関税のみ支払えば良いことになります。

 

 

ただ、一概にどの資材でも日本から輸出したものであれば関税がかからなくなる、というわけではありません。例外もあります。例えば、ダウンコートのための羽毛、レザーパーツなどはこの暫定八条の適用外になります。

 

しかしこの暫定八条制度は、他の関税優遇制度と併用できなかったりと制約はあるものの、製品の原料部分については国産の良質な物を使い、加工は海外の安い工場へ委託すれば高品質のものを消費者に提供することができる、アパレルビジネスの業界にとってはとても重要な制度です。

 

ちなみに当ライフスタイル部でも、アウトドア製品にはよくこの暫定八条を使用して輸出入をしています。

 

さて、全3回にわたって主な貿易の種類とその書類について書きましたが、いかがだったでしょうか?

貿易って奥が深いんだ!と、少しでも興味を持っていただけたら嬉しく思います。