皆さんは、『アールヌーボー』と『アールデコ』という言葉を聞いたことはありますか?
休みを利用し、ちょこちょこと家の家具や雑貨の入れ替えを始めた我が家。
しかし、ファッションやインテリアの好みがちょっと違う旦那と私。。。
そこでまさに違いが出たのが、インテリア選びの際の『アールヌーボー』と『アールデコ』でした。
=アールヌーボー=
19世紀末~20世紀初めに、ヨーロッパを中心に広まった建築・工芸・絵画などの諸芸術に流行した様式です。
フランス語で「Art(芸術)+Nouveau(新しい)」で「新しい芸術」という意味を持っています。
産業革命により、安価で粗悪な商品が出回るようになってしまい、その反動で芸術性や独創的なものを求めるようになり波及しました。
芸術品や実用品などに「装飾性」を施し、鉄やガラスなど当時の新しい素材を使用して、「新しい芸術品」を生み出したのがアールヌーボーです。
特徴
・花、草、木のつた、昆虫など。。。自然からインスピレーションを得たモチーフが多い。
・流動的で自然な曲線や曲面を用いている。
・エレガントで装飾的。
・代表的な建築物は、サクラダファミリア。
日本では、日露戦争後に流行しましたが、装飾性が高く大量生産に向かないアールヌーボーは、20世紀初めになると衰退しました。
=アールデコ=
芸術性や創造性よりも、機能的でシンプルなデザインが求められる時代となり、装飾性のあるアールヌーボーに代わり、広まったのがアールデコ「Art(芸術)+Deco(装飾)」です。
直線的で合理的なデザイン・原色の対比などがアールデコの美とされてきました。
世界に広まるきっかけとなったのは、1925年に開催されたパリの展示会でしたが、パリやヨーロッパではそれほど広まらず、アメリカ・ニューヨークのマンハッタンで大きく広がりました。
特徴
・単純化された直線的で幾何学的なデザイン。
・円、正方形、三角形などを繰り返したパターンが多い。
・機能的で合理的。
・装飾性は低く、シンプルなデザイン。
・代表的な建築物は、マンハッタンの高層建築。
アールデコはファッション界にも波及しました。
アールデコの特徴を生かし、実用性を重視したジャージ素材のスーツを発表し注目を浴びたのが、ココ シャネルです。
「アールヌーボー」と「アールデコ」名前はよく似ていますが、意味は全く違うもの。
二つの言葉のイメージの違いを簡単にまとめると
「アールヌーボ」 曲線や曲面を使用し、装飾的で柔らかなイメージのもの。
「アールデコ」 直線を多く使用し、シャープですっきりとしイメージのもの。
このイメージの違いがわかれば、インテリアやファッションを思い通りの印象にまとめられるヒントになり、今まで以上に家具や洋服を選ぶのも楽しくなりますよね。