~生地の加工について~

生地はただ糸を織ったり編んだりで完成するのではなく、

他にもたくさんの工程を経て仕上がります。

生地の外観や風合いを良くし、アパレル素材としての価値を高めることを

仕上げ加工と言います。

近年では進歩したテクノロジーによって様々な加工技術が生み出されて、特殊な機能を持ったアパレル製品が誕生しています。

生地により工程は様々ですが、今回はその工程の一部の仕上げ加工についてご紹介します。

 

 

撥水加工とは

通気性を保ちながら水だけを弾く加工のこと。

水は布に浸透することなく、玉状になって転がり落ちます。

水を弾きつつも通気性がある為、衣類に適しています。

 

 

<製法は?>

繊維の表面に樹脂などの撥水剤を施し、水の分子より小さい突起(撥水基)が数多く直立した幕を作ります。

水は撥水基の先端に弾かれて表面張力を起こし、水滴になって転がります。

この撥水基は汚れや摩擦で倒れてしまうため、徐々にその効果が薄れてしまいます。

撥水効果を復活させるには、適切な方法で洗濯・乾燥をして撥水基を再び直立させたり、撥水スプレーを吹きかけるなどの定期的なメンテナンスが必要になります。

(撥水加工のメンテナンス方法については次回ご紹介したいと思います。)

 

■防水加工とは

布地の表面をぴったりと膜で覆い、外部からの水を完全にシャットアウトする加工のこと。

裏側は全く濡れずに防水性を保つことができ、

生地に穴が開いてない限りはその防水効果を継続し続けることが出来ます。

しかし空気や水蒸気も通さないため、蒸れやすいのがデメリットです。

テントや傘などに用いられ、衣類には不向きです。

 

<製法は?>

基本的には塩化ビニルや合成ゴムなどの気密性の高い素材で作ったり、

水が染み出す原因となる生地の隙間を埋める加工を施します。

または、生地に水を通さないフィルムを接着するという加工方法もあります。

 

■ウオッシャブル加工とは

洗濯によってシワや縮みが起きやすく水に弱い毛や絹などの素材を水洗いできるようにした加工のこと。

 

<製法は?>

絹では繊維と繊維に水が入らないようにするサンシルク加工や生地に蒸気を吹き付け加工前に収縮テストを行いどれだけ縮むかを測定し、あらかじめ計算した量だけ布を縦方向に押し縮めることにより、タテ・ヨコ方向ともに洗濯収縮率を1%以内にとどめられる、というサンフォライズ加工などと様々な製法があります。

■UVカット加工

紫外線から肌を守る加工のこと。

日焼け防止や乾燥など、紫外線による肌の負担を軽くするだけでなく、布地そのものの変色や退色も防止します。

 

 

 

<製法は?>

紫外線を吸収する、または反射する素材である酸化チタン、特殊セラミックなどをあらかじめ繊維に練りこんだり、紫外線をカットする薬剤を生地に直にふりかけて表面にコーティングする2種類の製法があります。

繊維に練り込む製法は洗濯にも強く半永久的にも効果が持続します。

一方コーティングする製法は洗濯によってUVカットの効果が落ちやすいと言われていますので、洗濯の際にはネットを使用して洗うことをおススメします。

 

また一般的に、絹やウール素材は紫外線透過率が低いためUVカット加工を施さなくても紫外線を防ぐことができますが、紫外線の影響を受けやすいコットンやナイロン素材や、熱線を反射しやすい白色などの見た目も涼しげな夏のアイテムはUVカット加工を施されていることが多いです。

 

 

仕上げ加工はとても多くありますが

今回は、代表的な加工についてご紹介いたしました。

 

洋服の着心地など、ある程度の性能については、縫製でカバーをできますが、素材自体のデメリットについては、生地に施される仕上げ加工によって価値を高めた商品に作ることができるのです。