2020.06.26
前回、私たちマテリアル部営業第二課で展開している「add-lush」というブランドに関して、
コンセプトや代表素材の綿に関してご紹介させていただきました。
【前回記事】add-lushブランドに関して
add-lushとは、お客様のライフスタイルに「lush」華やかさを「add」加え
毎日をオシャレに華やかな気分にさせるコーディネートをご提案するブランドです。
外出先でもお家の中でも可愛らしくおしゃれを楽しみたい方に向けて、
素材の肌触り・着心地・リーズナブルな価格にこだわり、
お部屋で過ごす時間をリラックスしながら楽しい気分にさせるルームウェアを中心に毎日着回しできるアイテムを展開しています。
下記画像はadd-lushで展開している商品の中で、ポリエステル繊維を使用している代表例です。
左から順に春夏物、秋冬物、冬物となりますが、全てポリエステル素材を使用しています。
見た目がここまで異なるのに同じポリエステルからできているのは不思議ですよね。
今回はadd-lushの中でも前回ご紹介させていただきました綿と同じく、よく使用している
「ポリエステル」素材に関してご紹介させていただきます。
エステル結合(ester)による重合体(poly)のことを指します。
難しい内容になってしまうため詳細は割愛しますが、
エステル結合をもつ重合体は全てポリエステルに分類されています。
逆に言えば、ポリエステルには様々な種類があるということになります。
代表的なものとして、PolyEthylene Terephthalate(ポリエチレンテレフタレート)というものがあります。通称、PETと呼ばれるもので、PETボトルなどに使用される合成樹脂です。
石油などを原料としてPETのチップを製造、このPETチップを熱で溶かしノズルから押し出したもの冷却、繊維化したものがポリエステル繊維になります。
多様な用途
ポリエステル繊維はフィラメント(長繊維)、ステープル(短繊維)の
2種類の繊維を製造することができます。
フィラメントとステープルの違いは、繊維そのものの長さで、
フィラメントは1本の繊維が細長く続いたもの、
ステープルは綿や毛のように綿状の短い繊維のことを指します。
フィラメントは光沢があり、なめらかな肌触りになるものが多いです。
ポリウレタン(ゴムのように伸縮性が高い繊維)と一緒に編むことで、
伸縮性が高くなめらかな肌触り、速乾性が高い商品にすることができたり、
衣料用途以外にもミシン糸やテープ・リボン類に使用されたりするなど、
幅広い用途に使用されている繊維です。
ステープルは綿、レーヨンなどの他繊維と混紡することで、
それぞれの繊維の特徴を併せ持った素材になります。
例えばポリエステルと綿の混紡糸は、「綿混」と表記されている商品に使用されていることが多く、ポリエステルの速乾性、シワになりにくい性質、綿の吸水性、やわらかさの両繊維の性質を持ちます。
速乾性
ポリエステルの特徴として、速乾性が挙げられます。
公定水分率(※1)が低い繊維なので、吸湿・吸水しにくい性質を持っています。
含む水分が少ない=乾きが早いため、インナーウェアやスポーツウェアなど、
速乾性を求められる商品によく使用されています。
染色時に吸水性を高める加工をすることによって、
吸水性が高いポリエステル繊維・生地を作ることもできます。
もちろん速乾性はそのままなので、吸水性があり、速乾性もある繊維となります。
※1:公定水分率とは、温度:20±2℃、湿度:65±4%の標準状態において、繊維が空気中にある水分を自然吸水する量から求められるものです。自然な状態でどれくらいの水分を含んでいるか、という指標になり、公定水分率が高ければ吸水性が高い繊維、低ければ吸水性が低い繊維、ということになります。
熱可塑性(ねつかそせい)
ポリステルは熱可塑性を持つ繊維です。
熱可塑性とは加熱すると軟化し、冷却すると固化する性質のことです。
この性質を利用し、プリーツや折り目などは洗濯しても取れにくく、
長い間その形状を保つことができます。
強度
天然繊維(綿、毛など)と比較して比較的強度が高い繊維のため、
衣類の他、カーペットやインテリア関係など幅広く利用されています。
縮みや型崩れにも強く、普段着にはもってこいの繊維です。
また、シワになりにくい性質も持っており、
例えばポリエステルを使用したYシャツはノンアイロンでも着用できるなど、生活に便利さ、快適さを与えてくれる繊維です。
耐熱性
ポリエステルは200℃を超えても軟化、溶融(ようゆう)しないため、
比較的熱に強く、アイロンがけなどのお手入れがしやすい繊維です。
ただし、高温のアイロンを当て続けてしまうとテカリの原因となってしまうため、お手入れの際には取り扱い表示をしっかりと確認し、その商品に適したお手入れすることをお勧めします。
環境性
ここ最近、エコやサスティナブルといった環境に優しい取り組みに関して注目を集めています。
現在ではペットボトルなどのプラスチック廃棄物やポリエステル繊維製品を新しいポリエステル繊維へ再生したり、原料の一部を植物由来に置き換えたりするなど、環境に配慮したポリエステル繊維も増えてきています。
また、生分解性ポリエステル繊維も開発されており、元々は大量のエネルギーを消費して生産されてきたポリエステル繊維も、環境に優しいタイプが増えつつあります。
ピリング(毛玉)
綿などの天然繊維と混紡した繊維を使用した商品はピリングができやすい性質を持つため、
早めに毛玉取り器等でお手入れをしてあげることが大切です。
ポリエステル自体はピリングができにくい性質を持っていますが、強度がある繊維のため
ピリング(毛玉)ができた際は自然には取れずそのままになってしまうことが多いです。
ピリング(毛玉)を引っ張るとニットやカットソー素材のように編み込んだものや、ワイシャツなどに使用される織り込んだ生地組織に影響が出てしまうため、必ず毛玉取り器等でお手入れをするようにしましょう。
静電気
ポリエステルは繊維自体が含む水分が少ないため、比較的静電気が発生しやすい繊維です。
帯電防止加工(静電気が起きにくくなる加工)などを施すことによって、静電気が起きにくいポリエステル製品もありますので、気になる方は下げ札などでその機能があるかどうか、選ぶポイントとすることをお勧めいたします。
汚れなどの吸着
ポリエステル繊維は汚れや他の衣類などからの染料を吸着する可能性があります。
特に淡色製品は吸着した際、うす黒さが出てしまう恐れがあります。
濃淡配色品は必ず単独で洗い、洗濯後はすぐに形を整えて干してください。
また、汚れのひどい他の衣類などと一緒に洗濯することも避けてください。
インナーウェアやルームウェアをはじめ、各種OEM、ODMの対応可能です。
「add-lush」やルームウェア、インナーウェアに関するお問い合わせは
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