2020.04.08
「OEM」の依頼を受けるようになり、
前職も合わせると、20年経ってしまいました。
ですが、新しく覚える事もあり、まだまだ勉強中の日々が続いてます・・・。
先日、「この道20年のデザイナー」のお客様から「カットソー」編地依頼がありました。
ですが、よく見ると、その編地は「セーター編地」でした。
企画経験の長い方でも 見間違う事もある「カットソー」と「ニット」の違いについて、
簡単な「見分け方法」を お伝え致します。
ニット」とは「編み物」で、「糸をループ状に編んだ」もの、糸を編んで作った生地、製品を指します。
一言で言うと、「編み物の総称」です。
「ニット」の中に「セーター」「マフラー」「手袋」「カットソー」などが含まれます。
身頃・袖など、各パーツの形に編んで、糸で繋ぎ合わせるのが「ニット」です。
基本的には「緯(ヨコ)編み機」で編んだものを指します。
<緯(ヨコ)編み ~ニット~>
アパレル業界では「緯(ヨコ)編み」編地を使用したものを「ニット」と呼びます。
「ニット」の中でも「セーター」は トップスを指します。
セーターと同じ手法で作った、スカートやパンツも市場に多くありますが、
ワンピースやスカート・パンツは「セーター」とは呼びません。
ワンピースやスカートは「ニットワンピース」「ニットスカート」と呼びますね。
「ニット」は一般的に ミシンで縫いません。
裾・袖口などは「編み方を変える」など、編み続きで仕上げます。
また、脇や袖下などは、「リンキング」をしていきます。
「リンキング」とは、完成したニットパーツのループ数を計算して、
針に刺し、ループ1目1目に 糸を通して、繋ぎ合わせる工程を言います。
<ニットの見分け方>
3. 袖口~袖、裾~身頃にかけて「縫い目」がなく、1枚続き。
2.各パーツの端は、ほつれる心配がないので、編地を縫い合わせるための縫い代が ほとんど無い。
3.丸い衿ぐりや、袖ぐりなど、カーブが強い箇所に「減らし目」が出る。
カットソーとは Cut(裁断)& Sew(縫製) したものを指します。
一般的には「Tシャツ」「ポロシャツ」「トレーナー」などが当てはまります。
「ニット」が 各パーツ毎、編み上げてから「繋ぐ」のに対し、
「カットソー」は 丸く編んだ生地を 裁断して、縫い合わせ、1枚の製品に仕上げます。
カットソー生地は 織物と違い、生地に伸縮性がある為、
糸が「生地の伸び」についていけるように、専用のミシンで縫製する事が多いです。
脇・袖下なども縫い合わせるので、裏側に縫い代があります。
<カットソーの見分け方>
1.袖口・裾などは「折り返しの縫い代」があり、表側に「ミシン目」が見える
2.縫い目の裏側が「チェーン」になっているので、生地が伸びても、縫い糸が切れにくい。
<袖口・裾の裏側>
<脇・袖下の裏側>
いかがでしょう。
お分かりいただけたでしょうか?
簡単に言うと、
ニットパーツを編立して、糸で縫い目を繋げたのが「ニット」、
編地生地を裁断して、縫製しているのが「カットソー」です。
日々、生活する中で「知らなければいけない」知識ではありませんが、
少しでも「知って」、ニット・カットソーに興味を持っていただければ、
長年、ニット・カットの物作りに携わってきた者として 嬉しく思います。
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