2020.08.25
ひだが作る独特の世界『プリーツ』
プリーツと聞いてどんなアイテムを創造するだろう?
男性ならパンツ
女性ならスカート
私たちの生活の中にはプリーツがとてもたくさん隠れています
カバンや帽子
部屋のカーテン
扇子・番傘・提灯等もプリーツの機能が合理的に上手に取り入れられ忘れてはいけません。
最近ではマスクでもプリーツをよくみかけます
面白いもので日本人は制服文化があるので、小さいときからプリーツにふれながら成長しているのかもしれません
プリーツの魅力は、広がりのある立体感や動きやすさを高めることを目的に、縦線となる山折りと谷折りでゆとりを持たせる事で、年齢層関係なくスチュエーションによってエレガントにもカジュアルにも演出することができます。
近年、アパレルショップをみてもプリーツに特化したデザインや、小物などの展開をしています。
プリーツの歴史は紀元前3000年頃の古代エジプト
王様や王妃様の腰衣に用いられたのだそうです。
運動性を出すためにプリーツを多用していましたが、通常の3倍以上の布を使うことから、当時の上流階級しか着れない憧れのデザインだったのです。
当時のプリーツの加工は『パーマネントプリーツ加工』が使われていました。
パーマネントプリーツ加工とは樹脂加工と高温処理により、ひだの形状を維持するための加工です。
アイロンをかけなくても着用できる、型崩れしにくくシワができにくいなどのメリットがあります。
先ほどのパーマネントプリーツ加工はコットン(綿)、麻、レーヨンなどの布生地に樹脂加工した上で、高温処理をします。
樹脂は熱可塑性(熱をかけると柔らかくなる)のものを用います。また、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は、熱可塑性なので樹脂加工しなくてもパーマネントプリーツ加工は可能です。
キュプラやレーヨンなどの再生繊維は熱可塑性ではないので、コットンなどと同様に樹脂加工が必要になります。
プリーツで気を付けないといけない問題の一つは、素材と加工の関係です。
プリーツできる素材とできない素材があることは忘れてはいけません。
せっかくプリーツ加工をしても、着用しているうちにプリーツが薄くなったり、お洗濯の工程でなくなってしまったりします。
洗濯の際は洗濯表示をよく確認してから洗うなどの注意が必要です。
少しプリーツの種類についてお話します。
●アコーディオンプリーツ=アコーディオンのように連続して平行に小さなひだが並ぶタイプ
●ボックスプリーツ=織り目が裏で付き合わせるようになっているタイプ
●アンブレラプリーツ=並行ではなく放射線状のアコーディオンプリーツ的なもの
●ソフトプリーツ=折り目をいれずに、ウエストだけ折り畳んだふんわりしたプリーツ
プリーツの種類はご紹介できないほど沢山あります。
上記の中で上げた『アコーディオンプリーツ』の作成工程を簡単にご紹介します。
着丈、プリーツの幅などを決めたら型紙を作成します。
↓
プリーツの型紙をカルトンと呼びます。厚紙で型紙を2枚用意します。
アコーディオンプリーツの型紙は畳んだらハリセンのような型紙です。
↓
型紙ができたら型紙の上に生地を乗せ、その上にもう一枚同じ型紙を乗せサンドします。
↓
サンドされた型紙を専用の窯に入れ、熱処理を行います。
(とても簡単に書いてしまいました・・・)
プリーツの加工は、化学との挑戦のようでもあります。
加工の工程で生地の組成やデザインによってプリーツの手法が変わってきます。
コレクションや街の中で多くのプリーツがありますが、すべて異なる加工がされています。
プリーツの企画をするときは、よく工場に行って沢山ある厚紙の型紙を見ながらデザインのイメージを決めます。これがとても楽しいです!!
1つのプリーツだけでなく、2つ3つと色々なプリーツが作り出す不思議な世界
また、プリーツの加工だけでなくプリントやカットなどが加わり美しいデザインへ様変り
世の中全体が行き詰まる感が広がる中、個性の表現ができるプリーツで自由にオシャレを表現して楽しみたいものですね。
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