2020.09.16
夏を迎え、白や淡色の服やパンツを着用した人を多く見かけますね。
自分自身がそのような衣服を買う時、気になるのが①透け感②汚れ不安です。
今回は「透けにくい生地」について紹介したいと思います。
そもそも透ける原因って何かと言いますと、光が生地を通過して、生地の下にあるものを
写し出しているから透けるのです。黒や濃色の生地は光を通しにくいので透けにくく、白や淡色の生地は光を通しやすいので透けるという事です。
それでも「夏には白や淡色で」という要望から開発されたのが「フルダル糸」です。
※英語では、Fully Dull Yarn。Dullは「くすんだ」という意味。
フルダル糸は最も光沢を抑えた糸で、透け感を抑えてくれます。
フルダル糸には、染色時に酸化チタン(セラミックのようなもの)が混合されており、この酸化チタンが光を反射します。「光を反射」=「光を通さない」ので透けにくくなるのです。
またフルダル糸は、紫外線も反射しますので「UVカット」のメリットもあります。
逆にデメリットは、黒色や濃色がきれいに出ない事です。黒は真っ黒にならず、墨黒(すみくろ)になります。酸化チタンで、染料が糸に深く浸透しないことが原因です。
化合繊の糸は、光沢によって、大きく3種類に分けられます。
酸化チタンの含有有無、含有量によりますが、ブライトが最も光沢があります。
ブライトの糸でも、糸の撚より(撚糸ねんし)の際、強撚きょうねんをかける事によって、セミダル的になりますし、中撚ちゅうねんをかける事によって、光沢はマイルドになります。
※糸の撚りは、その回転数によって分けられますが、目安としては①甘撚あまより:100~400回/m②中撚(ボイル撚とも言います)800~1500回/m③強撚:2000~3000回/m です。
ただ、衣服を買う時、品質表示には酸化チタンは、全素材中では微量のため、表示されず、「フルダル糸」が使われているかどうかは判りません。
商品の特長に表示されていない限り、手に取って、透け感を確認するしかありません。
白や淡色の衣服を購入時は、ご注意ください。
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