2021.02.18
秋冬になるとニット製品のアイテムが増えてきますね。
そして寒くなるほど、セーターなど ふんわりした防寒アイテムの登場ですが、その素材には、代表的なウールや「アクリル」「ポリエステル」が用いられています。
アクリル、ポリエステルは、ナイロンと共に、3大合成繊維と呼ばれ、中でもアクリルは、ウールに似た性質を持たせることが出来るため、比較的 セーターなどで用いられる繊維です。
アクリルは、ふっくら柔らかい風合いと保温性の特長がありますが、それを実現するには、空気をたくさん含むことが必要です。アクリルは、人工的にその機能を持たせた繊維です。
<バルキー糸とは>
それでは、アクリルは、どのようにしてウールに近づけられるのでしょうか?
アクリル糸は、本来、収縮しにくい糸なのですが、収縮する「バルキーアクリル」という
種類の糸もあります。
収縮する繊維と収縮の少ない繊維を混紡した後、熱処理で収縮繊維を収縮させることで、糸の中に多くの空気を含むように加工したのを「バルキー糸」と言います。嵩(かさ)を持たせるように加工した糸で、嵩高(かさだか)加工糸とも言います。
熱処理すると、収縮性の高い繊維のみ収縮して、一方の糸はループ状にふくらみ、毛糸のように嵩高い糸になるのです。
バルキー糸には、アクリルやポリエステル等がありますが、収縮率が高いほど、嵩高になり、ボリュームある糸になります。
※収縮率20%程度のバルキー糸を「ハイバルキー」、25~30%程度を「ハイハイバルキー
(超ハイバルキー)」と言います。下の図は、ハイバルキーポリエステルの製法です。
<アクリルの長所・短所>
ウールと比較した場合、以下のような長所と短所が挙げられます。
※長所としては、
・ウールよりも価格が安いです。フェイクファーなどは、ほとんどがアクリルでしょうね。
・保温性があり、強度も強く、着用・洗濯耐久性、速乾性で優れています。
・虫食いなどの影響がありません。
・鮮やかな染色加工が可能です。
※短所としては、
・吸水・吸湿性が劣っていて、汗をかくとベタつきやすい性質があります。
・毛玉が出来やすいのと静電気が起きやすいです。
・熱に比較的弱いです。
セーターなどを買われる場合、素材の特性も考慮して選ぶことが大切ですね。
以上、ご参考になれば幸いです。
撥水加工の商品について
冬にお勧めするコートの素材