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中世ヨーロッパの子ども服

2021.03.16

みなさま秋と言えば何を思い浮かべますか? 食欲の秋、読書の秋、芸術の秋。

夏の暑さも落ち着きいろいろとやりたいことが増えてくる季節ですが、私は先日、友人と大阪中之島の国立国際美術館にロンドンナショナルギャラリーを見に行ってきました。

 

※画像はロンドンナショナルギャラリーの絵画ではありません

 

絵画の中でも特に目を惹いたのが肖像画の衣装の描写なのですが、今回貴族階級の肖像画を眺めていて、そういえばこの時代の子どもが着ているドレスって大人の女性たちが着ているのと同じだなと気づきました。

最初は「子どもの頃から大人と同じ格好をするなんてさすが貴族だな〜」と呑気に思っていましたが帰ってから調べてみると、これがなかなかびっくりな慣習だったのです。

なんでも中世では子ども服という概念がまだなく、大人が着ている衣装をそっくりそのまま縮小したものを子どもに着せていたそう。

 

※画像は全てロンドンナショナルギャラリーの絵画ではありません

 

特に、貴族階級の子どもたちは大人同様にきっちりとした正装をさせられていたわけですから、かなり窮屈だったと思われます。確かに子どものうちからコルセットを締めていては、成長にも大きく影響しそうですよね。

もう一つびっくりしたのが、赤ちゃんをくるむおくるみも、現在のようにふんわり包むのではなく、ミイラのようにぐるぐる巻きにしていたとのこと。

理由としては、タイトに巻くと母親に抱かれているような安心感を与えられるから、とも、好奇心旺盛な赤ちゃんが動きまわって怪我をしないようにするため、とも言われていますすが、めちゃくちゃ窮屈そう…。

 

 

今でこそ子ども服といえば、動きやすい子どもの体型に合わせた服というのは当たり前ですが、このような「子どものための服」をつくるという考えは比較的新しく、今のような子ども服の基礎ができたのは19世紀末になってからだそうです。

子どもにとって着心地が良いとか、活動しやすいなどの視点が入るようになったのは18世紀後半で、ルソーの自然主義の考えが入り始めた頃だそうです。

当時の医師たちの中にもこれに同調した人たちが、どんなものであれ、きつく縛ることや固定してしまうことは不自然なことであるとし、身体を露出したり過度に覆うことも病気の原因になると警告しました。

これで流行したのが、少年のはくズボンとワンピース型ドレス。代表的なものが、アリスのエプロンワンピースです。確かに締め付けもなく動きやすそうです。

そう考えると、日本の場合は着丈や胴囲を自由に調整できる着物文化なので、かなり子どもの成長にも優しい文化だったわけですね。

なるほどなるほど、子ども服にはこういう遍歴があったのですね…。

展覧会に行ったおかげで、思いがけない勉強をした日でした。

 

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