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よく耳にする地球環境にやさしい【エシカルファッション】とは?

2021.07.02

「サスティナブル」「SDGs」…以前は聞き慣れない用語でしたが、今や殆どの社会人が知っている、認知度の高い用語になってきました。
それだけに、業界を問わず、地球環境を意識した、モノ作り、購買する時勢になったと実感されます。

では、「エシカル」という用語はいかがでしょうか?
「サスティナブル」「SDGs」に比べると認知度が高いとは言えません。
エシカルファッションとは、どのようなファッションなのでしょう?
今回は「エシカルファッション」について取り上げます。

 

「エシカルファッション」は英語で「Ethical Fashion」と綴ります。
ご存知の方もおられるかもしれませんが、一方でまったく聞いたことがないという方もおられるのではないでしょうか。

エシカルとは、直訳すると「倫理的・道徳的な」という意味になります。
しかし「倫理的なファッション」「道徳的なファッション」と言われても、いまいちピンとこない方のほうが多いでしょう。
わかりやすく表現すると「人と地球にやさしいファッション」という意味となります。

「人と地球にやさしい」という点をかみ砕くと「素材の選定、生産、販売までのプロセスで、人と地球環境に配慮して作られたもの」と表現することができます。
環境破壊問題のみならず、不当な労働搾取をしない…といったファッションが「倫理的・良識的な基準で作られるファッション」ともいえるのです。
エシカルファッションは近年、ファッション業界のトレンド・キーワードとなっています。

 

エシカルファッションという考え方が生まれた背景には、ファストファッションの流行があります。
ファストファッションを作るにあたって多くの企業は、流行しているものを低価格で消費者に届けるために、労働者の人権や環境への影響に配慮せず、コスト削減を優先してしまいました。

特に象徴的な出来事は、2013年にバングラデシュで起きた「ラナ・プラザの悲劇(崩落事故)」です。
このラナ・プラザというビルは、違法な建て増し等により、かねてから倒壊の危険性を指摘されていましたが、目先の利益を求める企業が、安全管理をせず劣悪な環境で労働を続けさせた結果、
ビルが崩壊し、死者1134人・負傷者2500人以上の大事故を招きました。

このビルには世界的にも有名なファッションブランド「Benetton(ベネトン)」など27のブランドの縫製工場が入っていたのです。
犠牲者の多くは、こうした工場で働いていた若い女性たちで、ファッション史上最悪と言われる大事故となりました。

Image by:rijans

 

この事故をきっかけに、ファッション業界の価格競争の裏側で犠牲となっている人々に、世界中から目が向けられるようになりました。
ファッション業界の多くの企業が次々にコスト最優先の業務形態の改善に着手し始めたことが、ファッション業界全体にエシカルファッションへの潮流が生まれることにつながったのです。
このような悲劇を再び繰り返すことがないように…。

その潮流から、工場の染料が排水に混じって現地の川を汚染したり、コットン製品の原料の綿花栽培で大量の農薬や化学肥料を使用される事により、
毎年多くの人々(特に発展途上国で)が健康を害したりしている…ということにも注目が集まり、改善傾向が生まれてきました。

また、上記のような健康被害や環境汚染が明るみになるにつれ「エシカル(倫理的)なファッションを買いたい、着たい」という傾向が高まり、企業側も対策が不可欠となってきたのです。
現在ではファストファッションから有名ブランドまで、多くのファッションブランドが、エシカルファッションに取組んでいます。

 

主なファッションブランド・メーカーではエシカルファッションへの取り組みとして、どのようなことを行っているのでしょうか?取り組みの一部をご紹介します。

・パタゴニア:オーガニックコットン、リサイクル素材を使用

・リーバイス:製品生産時に必要な水量を減らす取組みを展開

・H&M、ZARA、Benetton、
ファーストリテイリング:グリーンピースが展開している、将来の有害化学物質ゼロを目指す「デトックス・キャンペーン」を受け、有害化学物質全廃に、積極的に取組みを展開

※2004年からパリコレクションの後に「エシカルファッションショー」が定期開催されています。

 

では実際にエシカルファッションを展開する場合、どのようなことを行っていけばいいのでしょうか?
日本のエシカルファッション推進団体Ethical Fashion Japanは、下記8つの「やり方」を提案していますので、その内容をご紹介します。

 

①フェアトレード:対等なパートナーシップに基づいた取引で、不当な労働と搾取を無くす。

②オーガニック:有機栽培で生産された素材を使う。

③アップサイクル&リクレイム:アップサイクル=捨てられるはずだった物を材料にし、より良い物を作ること、リクレイム=デッドストック(不流動)の素材や在庫を回収し、活用すること。

④サスティナブル・マテリアル:持続可能な素材、すなわち天然素材、リサイクル繊維、エコ素材(化学繊維など)等を使う。

⑤クラフトマンシップ:伝統的な技術を取り入れている。

⑥アニマルフレンドリー:「動物実験をしていない」など、動物の愛護・福祉に配慮している。

⑦ウェイトレス:ライフサイクル各段階での無駄を削減している。

⑧ソーシャルプロダクツ:NPO/NGO団体への寄付につながっている等、ソーシャルな活動に関わりがある製品。

 

エシカルファッションについてご紹介しましたが、国際的に明確な定義や基準はありません。
作る側、売る側、買う側が「人と地球にやさしい製品」と認識すれば、エシカルファッションといえるでしょう。
それぞれの側にいる「私たち」が、一枚の製品を手に取って、その向こう側にある世界、人々に想いを馳せ、エシカルな選択をすることが「一個人としてできること」です。
これを機会にエシカルについて考えてみませんか?

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