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繭と生糸は日本一 ~愛すべき故郷・群馬の繊維産業を学ぶ~

2021.08.17

群馬県と聞くとどのようなイメージを抱きますか?

「秘境の地」、「未開の地」など、テレビやインターネット上でたびたびネタにされることもありますね。海はありませんが、良質な温泉やスキー場なども多く、観光資源も豊富です。

しかし、かつて繊維産業が盛んな地域であったことはあまり知られていないかもしれません。今回は私の故郷でもある、群馬県の繊維産業についてご紹介します。

 

いきなりですが、あなたは「上毛かるた」を知っていますか?群馬出身の方は知っている方も多いと思いますが、ほかの地域の方は上毛かるたについて知らない人も多いのではないでしょうか。

 

上毛かるたは、昭和22年に発行された群馬を代表する郷土かるたで、主に群馬県の歴史・自然・人物・産業などが読まれており、全部で44枚あります。毎年2月に県競技大会が開催されるなど、群馬県内で広く親しまれています。

特に小学生のころは冬になると地域ごとに練習会なるものが開催されることもあり、群馬県出身者の多くは上毛かるたの読み札をほぼ丸暗記している人もいるほどです。

 

昔から群馬県民に愛されている上毛かるたですが、先に述べた通り、群馬県内の誇るべき産業や人物などが読まれています。そのなかで注目したいのは、繊維のことを読んだ札がいくつかあるという点です。

全44札中5札が繊維関連の札になっているので、その句をご紹介しましょう。

き 桐生は日本の機どころ
け 県都前橋 生糸の市
に 日本で最初の富岡製糸
ま 繭と生糸は日本一
め 銘仙織りなす伊勢崎市

群馬の観光名所でもある富岡製糸場についても触れられていますね。このように、上毛かるたで繊維関連の句が取り上げられているということからも、群馬県において繊維産業は地域を支える産業であるということがわかります。

 

上毛かるたで読まれている句から、繊維産業は群馬県で古くから盛んに行われていたことがわかりました。ここからは具体的に群馬県の繊維産業の歴史についてご紹介しましょう。


群馬県の東部に位置する桐生市は、西陣織と並ぶ絹織物の名産地とされています。「西の西陣、東の桐生」と呼ばれるほど織物のまちとして有名で、徳川家康に軍旗をおさめたことも歴史に残っています。


県都でもある前橋市は、戦前は全国でも1、2を争う生糸のまちとして有名で、生糸の生産や機織りなどが盛んに行われていました。前橋に作られた前橋製糸所は、世界遺産としても有名な富岡製糸場よりも前に作られていて、生糸を作る技術を世の中に広めたといわれています。

生糸は蚕の繭からできる糸で、絹(シルク)の原料になるものです。群馬県ではこのような絹に関わる遺産を「ぐんま絹遺産」として文化財に登録し、観光・地域振興につなげる取り組みを行っています。


南西部に位置する富岡市には、日本初の器械製糸工場であり、2014年に世界遺産登録された富岡製糸場があります。

群馬県は近代以前から養蚕が盛んな地域で、日本の生糸、絹織物の生産を支えてきました。

明治期になると、富岡市に官営製糸場が設けられ、近代的な製糸技術が導入されると、生糸の生産量は飛躍的に拡大し、日本は1909年に世界最大の生糸輸出国になりました。

余談ですが、その富岡製糸場で私の祖母も働いていたと聞いたことがあります。

そういえば、当社の創業当時の生業は生糸・綿撚糸の輸出ということでしたので、もしかしたら私の祖母が紡いだ生糸を当社が取り扱っていた可能性もあるかと思うとなんだか不思議な感覚です。


群馬県南部に位置する伊勢崎市は、現在ではオートレースで有名なまちです。伊勢崎市でも昔蚕糸業が盛んに行われていました。

特に「銘仙」と呼ばれる太い糸で織る厚みのある織物は、江戸時代には安くて丈夫な織物として人気となったといわれています。

伊勢崎市で作られた銘仙はおしゃれな縞模様が特徴的で、江戸のみならず関西圏(大阪・京都)まで流通していたという歴史があります。

 

群馬の郷土かるた「上毛かるた」から見える群馬県の繊維産業の歴史について紐解いてきました。日本の繊維産業の歴史において、群馬県は重要な役割を担っていたことがわかりますね。

現在では産業構造の変化で、桑園面積や収繭量は縮小していますが、群馬県における生糸の生産量は全国トップです。

群馬県には、今も現役として養蚕や生糸生産の研究をしている施設や、富岡製糸場を筆頭に当時を思い起こさせる遺産が多く残されているので、繊維や繊維産業に興味のある方は是非一度、群馬県に足を運んでみてください。

絹産業の遺産を巡りつつ、夜は温泉で癒されるなんてプランも素敵ですね。

 

 

 

 

 

 

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