last updated: 2024.04.02
目 次
もうすぐ冬が終わり、春夏ものへ衣替えの時期ですね。
ウールやカシミヤなどの動物繊維でできたニット製品は衣料害虫の大好物です。
そこでみなさんがよく使用するのは、衣料用の防虫剤ではないでしょうか?
今回は、この防虫剤の与える影響を考えていきましょう。
衣替えシーズンになると、タンスやクローゼットに
衣料用防虫剤を一緒に入れるという方は多いはず。
防虫剤が小袋に入ったものや、ハンガーのように吊り下げて使うものなど
さまざまな製品が並んでいるのを目にしますね。
また香りの有無や成分の違いなどで「色々あって迷ってしまう・・・」
という方も多いのではないでしょうか?
ですが、イガやカツオブシムシなど、繊維を食べる衣料害虫を
寄せ付けないような成分を配合されている防虫剤が、
私たち人間に及ぼす影響について考えたことはありますか?
実は少なからず、私たちにも影響があるのです。
薬品に過敏な方のなかには、衣料用防虫剤を使用して
「気分が悪くなった」という方もいるかもしれませんね。
実際に販売されている防虫剤には、次のような成分が含まれています。
●パラジクロルベンゼン
●ナフタリン
●ピレスロイド系
●樟脳(しょうのう)
あまり聞き覚えのない成分かと思いますが、一つ一つ特徴をチェックしていきましょう。
トイレの防臭剤としてよく使われるパラジクロルベンゼン。
防虫・殺虫効果が高いのですが、部屋のなかでパラジクロルベンゼンの
濃度が高くなると、頭痛やめまい、倦怠感などが現れることがあります。
また目・鼻・喉などの粘膜を刺激したり、発がん性が確認されたりなど、
危険度の高い防虫成分です。
さらにパラジクロルベンゼンによって衣類が変色してしまうこともあり注意が必要です。
特に合成皮革には使用しないようにしましょう。
ナフタリンを触ると、皮膚が赤くなったりかゆくなったりすることがあります。
穏やかな香りで和服や人形を長期収納する際に使用されています。
衣料害虫のなかでもイガに効果があり、近年多く普及しているのがこのタイプ。
無臭なので有効期間が分かりにくいのですが、虫や爬虫類・魚などに効果がある一方で、
人間にはほとんど無害という特徴があります。
昔から使われていえる防虫剤といえばコレ。
着物を収納するときによく使われていました。
クスノキからとれる芳香効果のある成分で防虫・殺虫作用があります。
効果は穏やかで即効性はありませんが、環境汚染の危険が低い薬品です。
このようにパラジクロルベンゼンやナフタリンを使った防虫剤は、
虫だけでなく人間にも有害となり得るのです。
衣替えシーズン前に、どの成分が含まれた防虫剤を
買うか考えておいたほうがよさそうですね。
ここまでご紹介してきたように、衣料用防虫剤には人間に悪影響を及ぼすものも
ありますが、使用の仕方に気をつければ空気汚染を減らすことができますよ。
そのポイントをいくつかご紹介しましょう。
同じクローゼットのなかに色々な種類の防虫剤を入れているという方はいませんか?
これは場合によってはすごく危険ですよ。
異なる成分が空気中で混ざり合って化学反応をおこし、
衣類にシミがつくことがあるからです。
先ほどご紹介したパラジクロルベンゼンとナフタリン、樟脳は絶対に混ぜてはいけません。
一方でピレスロイド系は上記の成分のものと組み合わせて使うことができます。
防虫剤の空気汚染を部屋の中に広げないために、
使用する場合はクローゼットやタンスをきちんと閉めることが大切です。
寝室は一日のうち、もっとも長くいる場所ではないでしょうか?
寝ている間に有害物質を長期にわたり吸い続けている…
と考えると、ちょっと怖くなりますよね。
そこで寝室にクローゼットがある場合は、樟脳やハーブなど
天然成分でできた防虫剤を使用することをオススメします。
もちろん赤ちゃんやペットがいるご家庭も自然派タイプの防虫剤がオススメですよ。
衣替えシーズンになんとなく使っている衣料用防虫剤って、実は怖いものなんだ・・・
ということがお分かりいただけたのではないでしょうか?
今使っている防虫剤の成分を確認して、もし有害物質が使われていたら、
次の衣替えシーズンは、どんなものを選ぶとよいか考えてみてくださいね。
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