突然ですが、「スローファッション」という言葉を耳にしたことはありますか？

スローファッションはファストファッションの対義語に該当し、
一つのファッションアイテムを長く愛用することを意味します。

今回はスローファッションの特徴やメリット、生産者がどのような取り組みをしているか、
スローファッション誕生の裏側についてもご紹介します。

 

スローファッションの特徴

はじめにスローファッションの意味や特徴、メリットなどについて解説します。

 

スローファッションとは

スローファッションは英語で「slow fashion」と表記します。

直訳すると「ゆっくりとしたファッション」という意味です。
「ゆっくりとしたファッション」というと漠然としていますね…。

具体的に説明すると、

流行に左右されることなく、
自分が気に入ったアイテムを大切に長く着用する価値観
という意味になります。

一方、スローファッションの対義語はファストファッションです。
こちらは耳なじみのある方も多いのではないでしょうか？

ファストファッションは英語で「fast fashion」と表記します。
直訳すると「早いファッション」という意味です。

大量生産されたトレンド商品を低価格で購入し、シーズンごとに新しいアイテムを着用する
というそのスタイルは、低賃金労働や衣類の大量廃棄、環境に配慮しない素材の使用…
などさまざまな点が問題となりました。

 

スローファッションの考え方

スローファッションでは、アイテムを購入し使用する消費者側と
ファッションアイテムを作り出す企業側それぞれに次のような考え方があります。

 

消費者の考え方

トレンドに左右されることなく、「サステナブル（持続可能なもの）」や
「フェアトレード（適正価格で取引された素材を使用したもの）」といった観点で
アイテムを購入し、長期にわたって愛用することが、人や環境にとって大切です。

消費者は価格の安いものに飛びついてしまいがちですよね。

ですが、購入しようとしているアイテムがどのような素材でできているか、
環境に配慮された素材か…など、生産背景までを考慮したうえで、時間をかけて
「その商品を購入するかどうか」を検討することもスローファッションの考え方の一つです。

企業側の考え方

企業側は、消費者にとってトレンド重視とならず、飽きのこないデザインのものや、
長く着用できる品質のものを作り出すことはもちろん、
環境に配慮したサステナブルな素材を使用することが大切です。

また生産者や労働者に適正な賃金を補償することも重要です。
特に近年、開発途上国では労働者が低賃金で長時間働かされていることが問題となっており、
フェアトレードがより一層重視されています。

 

スローファッションのメリット

スローファッションのメリットとして第一に挙げられるのは「環境にやさしい」ということ。

オーガニックや農薬不使用の素材を使用することは、環境への配慮はもちろん、
刺激の少ないやさしい着心地から、「人にもやさしいファッション」ともいえます。

またリサイクルできる素材を使用した場合、
ゴミの削減や焼却時に発生する二酸化炭素の削減にもつながります。

ニュースなどでよく耳にする「カーボンニュートラルな世界」の実現にもつながるでしょう。
さらに動物の毛皮を使用しないことで、動物愛護や乱獲数の減少などの効果も期待できます。

 

サステナブルを意識した生産者の取り組み

ここからはスローファッションに対する生産者の取り組みにスポットを当てていきましょう。

これからご紹介する取り組みはほんの一部となりますが、
生産者・企業ではさまざまなサステナブルな取り組みが行われています。

 

製造時に発生する廃棄物の削減

「ものを作り出す」という過程においては、さまざまな廃棄物が発生します。
その廃棄物を少なくすることで、二酸化炭素排出量の低減を目指す取り組みを行っています。

 

受注生産にすることで廃棄削減

大量生産は商品の過剰供給となり、売れなかった製品は廃棄されてしまうことも…。
ファッション製品の廃棄ゼロを目指すために、すべてを受注生産にする企業も現れました。
受注生産は消費者の手に届くまで時間がかかりますが、廃棄ゼロとなり無駄がありません。

 

リサイクル素材の活用

サステナブルな素材として、リサイクルコットンやリサイクルウール、
リサイクルポリエステルというものがあるのを知っていますか？

廃棄する予定だった製品を再利用する試みです。

例えばリサイクルポリエステルは、ペットボトルからできていますし、
他にも廃棄されるはずだった製品や糸・生地などを回収し、
新たな素材へと生まれ変わらせる取り組みなどがあります。

 

GSIクレオスのサステナブルな取り組み

GSIクレオスでも地球環境に配慮した製品開発を積極的に行っています。

 

ウルグアイウール

ウルグアイウールは「チクチクしないやわらかな着心地」として
人気のウールですが、サステナブルな素材としても知られています。

ウルグアイは国内電力のほとんどを再生可能エネルギーでまかなっているエコな国です。

ウールの加工においてもこの電力が使われていることから、
カーボンオフセットに貢献する素材として注目が集まっています。

また、羊たちに過度なストレスを与えないノンミュールジングという
方法で飼育されており、動物にも優しい素材です。

 

カテキンファイバー

100%静岡県産の茶の実から抽出したオイルに、茶葉から抽出したカテキンを配合し、
直接繊維に練りこんだカテキンファイバーという繊維の開発を行っています。

原料に使用されている「茶の実」は、これまで茶農家で廃棄されていたもので、
それを有効活用することでサステナブル化しています。

抗菌・抗カビ機能があるため、病院や福祉施設などで使用する包帯・タオルや、
一般消費者向けとしては靴下や肌着類など様々な製品に利用されています。

その他のGSIクレオスのサステナブルな取り組みについてこちらもご覧ください。

 

まとめ

「いいものを長く使う」というスタイルはファッションだけに限らず、
家具や電化製品など日常生活に必要なものすべてに通じる価値観です。