last updated: 2025.12.17

2025年は例年にないほど、「クマ出没」がニュースで取り上げられています。これまでも登山やキャンプなどアウトドア中のクマ出没問題が話題になっていましたが、今年は山だけでなく街への出没も頻繁に報告されています。
SNSでも「クマ問題・クマ被害」として関心が高まる中、「自分がもし出くわしたらどうしよう?」と不安を感じる人も多いのではないでしょうか?
環境省によると、全国でのクマによる人身被害はここ数年で増加傾向にあります。特に秋口は、冬眠前に食料を求めて人里へ降りてくる個体が多く、ハイキングや山菜採りなどの際に遭遇するリスクが高まります。
今回は実際の事例をもとに「どんな対策ができるのか」を、アウトドアファッションの観点から考えていきます。ウェアの選び方から、服以外の備えまで、いざという時に身を守るための知識を整理してみましょう。
まず知っておきたいのが、「なぜここまでクマの出没が増えているの?」ということです。主な理由として、つぎの3つが挙げられます。

気候変動や森林環境の変化により、ドングリ・クリ・クルミ・カキなど山中の食料が不足してきています。そのため、冬眠を前に食料を求めて人里に降りてくるクマが増えているのです。
登山やトレッキング、キャンプなどのアウトドア人気が高まるなか、クマの生息地に人が入りやすくなったこともクマとの遭遇率が高まっている原因の一つとして考えられます。
一部地域では、人間の存在に慣れてしまい、警戒心が薄れたクマが出没するケースもあります。人間に恐怖心を抱かないクマが増えてきています。
実際、2023年には東北地方でハイカーが襲われる事故が相次ぎ、クマ対策の見直しが迫られました。もちろん、「山に入らない」ことが有効な対策のひとつですが、自然と共存しながらアウトドアを楽しむためには、身を守る装備や行動を心がけることが大切になるでしょう。
ウェアでクマ対策することも可能です。服の色や素材も安全対策の一部になりますよ!ここでは、「見せる」「守る」という2つの観点から、ウェア選びのポイントを紹介します。

クマは聴覚と嗅覚が発達していますが、視覚も意外と敏感。派手な色のウェアは「人がいる」と知らせる効果があります。
特に蛍光色のオレンジ・イエロー・レッド系は目立ちやすく、救助の際にも役立ちます。ニュースで取り上げられる猟友会の方の服装を思い出してみてください。蛍光色のウェアを着用していますよね!
一方で、森林に溶け込むようなダークグリーンやブラウン系は、クマに気づかれにくい色でもあります。
最近では、ファッション性を損なわずに明るいカラーをアクセントに取り入れたアウトドアウェアも多く、安全性とデザイン性を両立させることができます。
もうひとつ大切なのが、ウェアの強度と防御力です。
クマが人を襲うケースでは、転倒や爪による引っかき傷が多く報告されています。そのため、引き裂きに強いリップストップナイロンなどの素材を使ったジャケットが安心です。
また、キャンプ中の夜間など、薄手の服装で過ごす時間帯も要注意!厚手のパンツやアウターを一枚備えておくと、防御力が格段に上がります。
加えて、防臭機能のある素材を選ぶのもおすすめです。汗や食料のニオイに敏感なクマを寄せつけにくくなります。近年では、天然由来の防臭加工を施したウェアや、虫よけ効果を併せ持つ素材も登場していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
関連記事:山歩きに欠かせないアンダーウェア・ベースレイヤーの役割と選ぶポイント
服装とあわせてチェックしておきたいのが、携行アイテムと行動の工夫です。実際の遭遇事例を踏まえると、ちょっとした準備で被害を防げるケースは少なくありません。

ここからウェア以外でできるクマ対策をご紹介します。
クマ鈴・ホイッスル・ラジオを活用
最も基本的なのは「音を出す」ことです。クマは人の気配を感じると自ら離れていく傾向があるといわれています。
クマ鈴やホイッスル、携帯ラジオなどを鳴らしながら歩くことで、遭遇リスクを大幅に減らせるでしょう。
ただし、近年はクマ鈴の音にも慣れてしまった個体がいるとも言われており、複数の音を組み合わせるのが効果的です。
食料・ごみの管理
キャンプ場や山小屋での事故の多くは、ニオイの管理不足が原因です。食べ残しやゴミをテントの外に置いたままにすると、ニオイにつられてクマが寄ってきます。
密閉できる防臭バッグを利用し、食材や生ゴミはまとめて車内やキャンプ場・山小屋などの決められた場所に保管しましょう。
夜間の活動や単独行動を避ける
クマの活動が活発になるのは、早朝や夕方以降の比較的暗い時間が多いといわれているため、視界が悪くなる時間帯の行動は避けるのが基本です。
また、単独行動はリスクが高いため、複数人での行動を心がけましょう。声を掛け合いながら歩くだけでも、クマへの警告になりますよ。
アウトドアファッションは、いまや機能性とデザイン性の両立が当たり前になってきました。安全性を重視した素材でも、シルエットやカラーリングの工夫によって街で着用しても違和感のないスタイルを作れるデザインも増えてきています。
最近では「クマ対策」という観点から、反射素材や防臭機能を備えたウェアが再注目されており、ブランド各社も独自のアプローチを進めています。
たとえば、北欧ブランドでは高視認カラーを用いたジャケットが定番化となっているほか、日本のメーカーでも、抗菌防臭加工や耐久撥水素材を組み合わせた多機能ウェアが増えています。
クマ被害のニュースを見ると、つい「山は怖い」と感じてしまいがち。けれど、自然の中で過ごす時間は本来とても豊かで、心を癒やしてくれるものですよね。大切なのは、自然を恐れるのではなく、正しく敬いながらルールを守って活動することではないでしょうか?
私たちも今話題となっている「クマ問題」をきっかけに、アウトドアファッションやアウトドアを楽しむうえでのルールをもう一度見直してみる必要があるのかもしれません。
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