CARE FOR YOUR CLOTHES

衣服ケア ~意外と知らない!?長く綺麗に洋服を着る方法~

羊毛をめぐる冒険

last updated: 2022.12.23

羊の祖先

 

ニットのセーターやマフラーは暖かくてよいですよね。もちろん、ニットは羊毛に限ったものではありませんが、やはり羊毛の編み物には魅力を感じます。

羊毛は、もともと、羊さんの身体を寒さや雨風から守っているものですから、とても具合がよいわけです。

ところで、羊というとどんなイメージでしょうか? たぶん、こんな感じのいかにも温和そうな感じの生き物ではないですか?

しかし、実は、こうした羊の祖先である野生羊はもっと猛々しい生き物なのです。

 

現在の羊は、実は野生羊を家畜化したものです。具体的にはアジアムフロンという羊が祖先であるという説が有力です。どんな感じの生き物かは、例えば、mouflonという単語を検索してもらえばわかります。角がすごくてたくましい、どちらかと言うとヤギに似た感じの生き物です。

羊から羊毛へ

羊は、メソポタミアで家畜化が進んでいったものと考えられています。

もともと野生羊は上毛(ケンプ)と言われる長い毛を持った生き物です。この上毛の下に生えているのが縮毛(ウール)なのです。

ウールは縮れているので、それからつくった毛糸を使うと保温性の高い布ができます。また、羊毛は脂分が多いので撥水性もあります。家畜化ではこの縮毛(ウール)がたくさん取れるように改良が進んでいきました。

古代ローマ時代には、よく布を身体に巻き付けたような恰好の衣服(トーガ)が見られます。映画の『テルマエ・ロマエ』で阿部寛さんが着ていたような服ですね。あれもウールからつくった布地です。

ちなみに、公衆便所はウェスパシアヌスというローマの皇帝がつくったのが世界で最初とされていますが、これは尿を集めるのが目的でした。なにに使うのかと言えば、羊毛に含まれる余計な脂分を洗い流すのが目的でした。そのくらい羊毛の需要があったと言えるでしょう。

メリノ種の誕生

現在、牧羊種としてはメリノ種が主流ですが、メリノ種は現在のスペインで生まれたものでした。

スペインではメリノ種を国外に持ち出すことを厳しく禁じたものの、その優れた性質からメリノ種の羊は世界中に広まって行きます。

オーストラリアへも南アフリカ経由でメリノ種の羊が運ばれました。

やがて、ゴールドラッシュが起こると金鉱を掘る人たちの食糧としても役に立つことから牧羊が広まり今日の牧羊大国につながって行きます。

なお、ゴールドラッシュというと、19世紀半ばのカリフォルニアのゴールドラッシュが有名です。金鉱が発見されて金を掘る人たちが殺到したできごとですが、同じころ、オーストラリアでもゴールドラッシュが起きていたんですね。

ニットで困ること

さて、羊毛が暖かいのは毛の1本1本が縮れているため、それをまとめた毛糸が空気を含んでいることがひとつの原因です。もともとそういうウールを取るために羊の家畜化が進んだのですが。

ただ、羊毛製品にはいくつか困る点があります。

ひとつは虫に食われること。これは天然繊維ならではのことです。

もうひとつは伸びてしまうことです。

伸びてしまうのは、ニットは、毛糸をループ状に重ねてつくっているため、毛糸がしっかりしているときは元に戻るものの、疲れてくると元に戻らなくなってしまうことが原因です。

また、洗濯した場合、ニットの衣類は水分をたくさん含みます。そのため、かなりの重さになってしまい、ハンガーなどに掛けて干すと、上の部分が下に引っ張られて伸びてしまいます。逆に言えば、ニットの衣類を干す場合は、ハンガーに掛けるのではなく平たい面において乾かすと洗濯伸びがある程度防げます。

縮んでしまうのはキューティクルも原因!

洗濯すると縮んでしまうこともあります。

羊毛の表面にはスケールという鱗状のものがあり、それが洗濯によって開き、からまってしまうことが大きな原因です。このスケールは人間の髪の毛のキューティクルと同様なものなのです。

そこで、人間の髪の毛同様にキューティクルに注意した洗い方をすることが重要になります。

具体的には、ごしごしこすって毛糸どうしを絡ませないこと。熱いお湯で洗わないこと。洗濯機の中で無理な力を掛けないことです。

そのためには温水ではなく水での手洗いが良い方法です。乾燥も、乾燥機ではなく、タオルなどで軽く叩いて水気を切る方法が有効です。

また、人間の頭髪と違って衣類はドライクリーニングも可能です。この場合、水は使わないのでキューティクルが開くことも抑えられます。

万が一縮んでしまった場合は、キューティクルケアをするためにコンディショナーを含ませた水に漬けることも有効な回復法です。

まとめ

手編みのマフラーというと恋愛マンガでは定番ですね。

もちろん、お母さんがこどもに手袋を編んであげることもあるでしょうし、男性でも「ニット王子」と呼ばれる人がいたりして編み物男子は世界的にも広まっています。男女を問わず、ニットは人間を惹きつけるものです。

何気ないニットですが、よく見れば、その中で羊毛くん(あるいは羊毛さん)たちが頑張っているのがわかります。

それを陰ながら支えているのが、長い羊毛をめぐる歴史。改めて見ると、ニットにはすごい歴史が隠されているんです。

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